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【第1回】多眼カメラNimslo,Nishikaについて。吉長博インタビュー特集

   

【第1回】多眼カメラNimslo,Nishikaについて。吉長博インタビュー特集

吉長博さんは、多眼のフィルムカメラを使って幻想的な立体写真GIFを制作されています。GIFアニメコンテスト「theGIFs」ではアート部門賞を受賞されっました。今回Creator’s MAGAZINEでは吉長さんから立体写真の魅力や、カメラ、創作の哲学を、全3回に分けてお送りします。

(執筆:Creator’s MAGAZINE編集部)

【第1回】多眼カメラNimslo,Nishikaについて。
【第2回】「自分にしかできないGIF表現へ」吉長博の生い立ち。
【第3回】「死と再生」立体写真の裏にある創作哲学。

クリエイター:吉長博

吉長博のアイコン
フリー映像クリエイター。東京を中心に活動。動く立体写真GIFはGIFアニメコンテスト「theGIFs」で、アート部門賞を獲得。アクション映画好き。落語好き。SF好き。洋楽好き。立体写真好き。

wiggle3D作品紹介

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吉長博 ©2014年 「切り花… wiggle3D」

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吉長博 ©2014年 「すなにぎり LightBlaster wiggle3D」

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吉長博 ©2014年 「ラティルス・オドゥラタス・ワイヤード」

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吉長博 ©2014年 「阿佐ヶ谷七夕まつり wiggle 3D」

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吉長博 ©2014年 「HIBI★Chazz-K Wiggle3D」

【第1回】多眼カメラNimslo,Nishikaについて。吉長博インタビュー特集

多眼カメラ紹介

ーー 第1回ではまずご持参いただいたカメラについてお話しいただこうと思います。それぞれのカメラについて特徴や用途などを教えていただけますか。

 

吉長さん(以下、敬称省略) これ(Nimslo)なんかはいつの年代のものなのか詳しく知らないんですけど1980年製っていう説がありますね。本当にそんなに古いのかなとも思うんですけど。(笑)

 

ーー いつごろにご購入されたものなんですか?

 

吉長 これは1か月ほど前に購入したものですね。ただ、これと同じ型のものを2年前にも購入しています。

 

ーー ではそのカメラが初めて購入された多眼カメラということでしょうか。

 

吉長 いえ、初めに購入したのはこのドデカイこっちの四眼カメラ(Nishika N8000)でして、これを二年半ほど前に購入したのが現在の制作の始まりですね。その頃はちょうど3Dテレビが騒がれていたころで、立体写真の撮影ができるフジの二眼デジタルカメラを持っていました。初めはその二眼デジカメを使って二枚分のデータで立体視のGIFを作っていたんですけど、Flickr等で、海外の方が投稿している3〜4枚の写真からできている立体視の作品を見つけて、興味を持ちまして調べてみたところ、Nishikaという多眼のフィルムカメラがあるということを知りまして、それで購入したのがこちらのカメラ(Nishika)ですね。これはeBayでだいたい20~30ドルくらいでしたね。送料も30ドル程度で送料込みでも100ドル以下で収まりますね。Nimsloの方がもうちょっと相場が高くて、それでも送料込みで100ドル~150ドルぐらいで手に入ります。後になって知ったのですが、NIshikaだったらヤフオクで1000円ぐらいでよく出品されているんですよね。

 

ーー 思っていたよりもお高いものではないんですね。では、多眼カメラにご興味を持たれた方は、比較的気軽に始めることができるのでしょうか。

 

吉長 そうですね。購入した後に知ったのですが、日本でも390円で購入できるウェブショップがあったみたいです。すでに売り切れてしまっているんですけど、現在もレビューのページが残っていてそこに70件近くレビューが書き込まれていたので、日本にもこのカメラ(Nishika)を持っている人が結構いらっしゃるのかもしれません。こちらのカメラでしたらヤフオク等でも1000円ほどで出品されることが多いですし、フィルムカメラに抵抗のない方でしたら割と気軽に始めていただけると思いますね。

 

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吉長博 ©2014年 「お花を大切に wiggle3D」

 

ーー 多眼カメラがあれば吉長さんのようなGIFの作成にチャレンジできるのでしょうか。

 

吉長 すぐにGIFを作ることは難しいかもしれませんね。これがなかなか面倒なところで、多眼フィルムカメラはGIF化する前提のカメラではありませんので、何かと手間はかかります。多眼カメラはもともとレンチキュラーで見る写真を撮影するためのカメラなんです。レンチキュラーっていうのは、写真を見る角度を変える事で、違う画像を見られる方式です。それで3Dのように見せるのです。フィルム多眼カメラが発売され始めた80年代、90年代のころはまだパソコンも普及していなかったので、そもそもGIFでレンチキュラーのように見るという発想は少なかったと思います。

 

ーー 他にもいくつかカメラをお持ちいただいておりますが、カメラによっての仕上がりの違いはいかがでしょうか?

 

吉長 カメラによって仕上がりはかなり違ってきますね。四眼カメラのほかにも三眼のカメラもありますし、レンズとレンズの間の距離が変わるとGIFで言う映像の振り幅が変わってきます。もちろん一般的なカメラと同様にレンズにもプラスチックレンズとガラスレンズがありますし、プラスチックもそれはそれで趣のあるいい写真が撮れるんですけど、ガラスレンズのほうがクリアな写真で、今はもっぱら四眼のガラスレンズのこのカメラ(Nimslo)を使っていますね。

 

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“text-align: center;”>吉長博 ©2014年 「nimslo 3D + LightBlasterで水あそび」

ーー では、先日開催されたtheGIFs(GIFアニメコンテスト)で受賞された作品も、そちらのカメラで撮影されたものなのでしょうか。

 

吉長 そうですね。もう少しカメラの構造の話をすると、レンズ間の距離は変えようがないんですよ。なので、

カメラによってそれぞれGIFにするときに最適な「カメラと被写体との距離」というのがあって、被写体によっても変わってくるのですが、このカメラ(二眼デジカメ)だと人物なら5.6メートルくらいで、カメラによってそれぞれGIFにするときに最適な「カメラと被写体との距離」というのがあって、被写体によっても変わってくるのですが、フジの二眼デジカメW3だと人物なら5~6メートルくらいで、二眼デジカメは複数メーカーから発売されていて、それぞれレンズ間の距離が違いますので、被写体との最適な距離も変わります。GIFにするなら本当はもっと近くてもいい、近くてもいいのですが、近いとピントが合わないのです。なので、 僕は、より被写体と近い距離で写真を撮影するために、レンズにクローズアップのフィルターを付けています。そうすると室内のような狭いところでも撮影をすることができるようになって。家の中で動きがある面白い被写体って何だろうって考えて、自宅のお風呂場を使って水と被写体を撮り始めました。

 

ーー 多眼カメラを使っているクリエイターの方はかなり珍しいと思いますが、最新のカメラと比べてなにか苦労をされていることもあるのではないでしょうか。

 

 

吉長 ありますね。たとえばこのカメラ(Nimslo)だと、絞りとシャッター速度がオートのみなので、撮影する前にデジカメで試し撮りをして明るさを調整するのが難しいのです。フィルムカメラなので現像するまでどんな仕上がりになっているのかわからないんですよね。まあひと昔前のカメラマンはみんなそうだったんでしょうけど。こっちのカメラ(Nishika)だとシャッター速度は固定だし、絞りも自分で調整できるので、デジカメでのシミュレーションは比較的やりやすいです。
吉長博さんがカメラ上げて見せる

 

ーー フィルムカメラならではの苦労がやはりあるわけですね。

 

吉長 最近、撮影後に自分の好きな位置にピントを合わせることができるLYTRO ILLUM(ライトロイルム)っていうカメラが日本の代理店でも取り扱いが始まりましたよね。あれはセンサーの範囲内で視点を変えられるので、多眼カメラ以上のことができるカメラなんです。今はまだセンサーの大きさのせいか、せいぜい1〜2センチくらいで、多眼カメラの振り幅程ではない、1メートルくらい離れてしまうと3D的な効果は薄れてしまいますけど、ものを接写した時の効果は絶大ですね。まあ本来の目的とは違うので仕方のないことだとは思いますけど。(笑)このカメラが進化していけば将来的にはもっと気軽に立体的な写真の撮影が可能になると思います。

 

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吉長博 ©2014年 「self portrait」

 

ーー これからが楽しみですね。デジカメで撮影できるようになることで立体写真がより普及するではないでしょうか。

 

吉長 そうですね。あとは何年か前のカメラショーで、4眼のデジタルカメラのプロトタイプが発表されたんですけど、それっきり製品化の話は全く聞かないんですよね。そのカメラも一度に4枚の写真を撮って左右に動かして立体的に見せようっていうものでした。デジカメでお気楽に3DのGIFアニメのような映像が撮れればものすごく流行ると思うんですけどね。残念ながら現状では難しいのでしょうね。

 

ーー やはり現状ではフィルムカメラでの撮影しか選択肢がないということですね。

 

吉長 レンズの間隔が広くてもいいのなら、デジカメをいくつか並べて同時に撮影するやりかたもありますが、カメラの同期の問題などがあって、デジタルでもあまりお気楽ではありませんね。それに、レンズ間の距離が広がると、同じ被写体を同じ距離で撮っても、振り幅が大き過ぎてなめらかなGIFにならないでしょう。

 

ーー なるほど。吉長さんの作品にはそういった技術的な背景があったんですね。では、今後カメラの技術が進歩していけば、また新しい制作を始める可能性もあるのでしょうか。

 

吉長 そうですね。ずっと同じことをしているのはつまらないと思っていますし、たぶんそのうち飽きると思うので。(笑)機会があれば新しい機材にも手を出してみたいですね。

 

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吉長博 ©2014年 「電動バブルメーカー」

ーー 来週(1月7日[水])は「【第2回】「自分にしかできないGIF表現へ」吉長博の生い立ち。」と題し、吉長さんが立体写真に至った背景をお伺いします。

執筆:Creator’s MAGAZINE編集部

クリエイター:吉長博

吉長博のアイコン
フリー映像クリエイター。東京を中心に活動。動く立体写真GIFはGIFアニメコンテスト「theGIFs」で、アート部門賞を獲得。アクション映画好き。落語好き。SF好き。洋楽好き。立体写真好き。

【関連リンク】
吉長博立体写真GIF作品ページhttp://gifmagazine.net/users/4935/profile
yoshing blog:http://yhmv.blogspot.jp/

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