そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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【第2回】「プレゼン苦手」は克服できる モーショングラフィックス・スタジオ TO-FU 分かりやすく伝わる秘訣

      2015/06/06

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データなどの情報をもっと分かりやすく伝えたい、スライドを用いるだけではなく印象に残るプレゼンテーションをしたい…そんな願いはモーショングラフィックスによって叶うかもしれません。モーショングラフィックスとは、文字やイラストに動きを与えた動画。複雑で分かりにくい情報を簡単に分かりやすく伝えられることから、企業が積極的に活用し始めています。今回、モーショングラフィックスを専門に制作する、日本ではまだ数少ないデザインスタジオであるTO-FUにお話を伺いました。どうすれば分かりやすい説明を作り出せるのか?そのヒントを全3回で連載します。

(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)

クリエイター :TO-FU (大森 聖+大森 かずえ)

 
TO-FU-logo

モーショングラフィックス制作をメインに活動する日本のデザインスタジオ。札幌に拠点を置き、国内外を問わず多数の企業や官公庁などのクライアントと提携する。建築出身の強みを生かして、リアルな空間におけるモーショングラフィックスの活用を積極的に提案。特にデジタルサイネージへの導入は、空間デザインまでを含めたプランニングに定評がある。直近では、日本最大級の100台連続デジタルサイネージである「シリーズ・アド・ビジョン名古屋」を手がけた。TO-FUはTO FUTUREに由来。

TO-FU:http://to-fu.tv

【第2回】「プレゼン苦手」は克服できる モーショングラフィックス・スタジオ TO-FU 分かりやすく伝わる秘訣

 
第2回目はモーショングラフィックスを作る際に重要となる、具体的な技術に着目します。分かりやすい説明を作るには、どのような工夫が必要なのか?スライドを使ったプレゼンテーションや資料作成にも応用できるテクニックをお届けします。

4:極限まで要素を絞る、特徴を端的に示すサイン

 

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−−モーショングラフィックスでは、情報が文字とグラフィックによって伝えられます。目に映るそれらの情報をどのように表現すれば、より分かりやすく伝わるのでしょうか?

TO-FU「まず、デザイン的になるべくシンプルにすること。必要のない情報はそぎ落とします。例えば、道路のサインのようにピクトグラム化してしまうのも手法の1つです。あるいは伝えたいことを誇張することも考えられます。情報を絞れば、よりストレートにヴィジュアルで伝えられる。説明する言葉もそう多くは要らないんですよ。」

−−必要な情報のみ残してゆく、思い切りの良さが必要ですね。

TO-FUモノの特徴を捉えて記号化することを心がけています。3DCGで作り込んだり、リアルにグラフィックを描くことは、敢えて避けています。」

−−登場するグラフィックは一目見ただけで、何を示しているのか分かります。でも、立体的であったり細部が緻密に描かれているわけではないですね。

TO-FU1枚のインフォグラフィックの状態では、一度に目に入ってくる情報量が多すぎます。そこに時間軸を加えてシークエンスを作ってあげることで、自然に情報が頭に入っていくような展開を構築します。誰が見ても分かるようにするのが究極の目標です。何かグラフィック要素が大きくなったら拡大や増加を表す、他にもスピード、長短、強弱など、時間軸をもつことでヴィジュアル化される表現の幅は格段に広がります。」

※インフォグラフィック:情報や数値などを分かりやすく図式化したもの。路線図や統計データなどを視覚的に表現する。

−−誰が見ても理解できるサインを作る。そのような感覚でプレゼンテーションを作れば、おのずと必要な要素だけに絞り込めそうですね。

5:メインカラーを引き立てる、厳選された色味と調和

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−−代表作の「29 WAYS TO STAY CREATIVE」は、白・黒・グレー・赤を基調としたすっきりとした配色。使う色について、気をつけていることはありますか?

TO-FU「色はあまり多用にしないように心掛けています。依頼されたクライアントのコーポレートカラーをベースに、それを強調する色を持ってきます。先ほどのサインと一緒で、色についても情報を整理することでシンプルさが強調されます。基本的に色調は抑えるようにしています。」

−−メインカラーを決めて、それが目立つ脇役のカラーを決める。色数を抑えて少数精鋭にするんですね。

TO-FU「これはあくまで私感ですが、日本のコンテンツは色使いが派手すぎるように感じていました。29 WAYS TO STAY CREATIVEを発表したとき、海外からの反応が圧倒的に多かったんです。当時はTO-FUの作風はもしかしたら日本人にはクールすぎたのかもしれませんね。今はそれが僕たちの個性であり、理解を示していただくクライアントもかなり増えてきました。」 

−−出来るだけ目立つようにと、ポップになりがちな色調をあえて抑える。これが知的な印象を与え、落ち着いて理解できるクールさを演出しているのではないでしょうか。

6:飽きずに見られる90秒、ナレーションの有効活用

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−−色々な作品を拝見しましたが、どれも途中で飽きることなく一気に見終えることができました。作品の時間については、何か独自のルールがあるのでしょうか?

TO-FU「ネットでのコンテンツとして推奨しているのは1分半です。全ては伝わらないかもしれないけれど、飽きずに集中して見ることのできる長さと考えています。動画の再生時間に3:00、4:00と表示されると、それだけでウンザリしてしまいますよね。最初は1分半を目指しますが、もう少し長く見せたほうがわかりやすいなど、状況により実際の制作において長さは変動します。」

−−全てを伝えようと詰め込まないから、実現できる90秒ですね。

TO-FU「ナレーションが入ったモーショングラフィックスも制作します。ナレーションを入れることで、理解を深める効果は絶大です。ただ音声を出せない環境で再生されることも考えられるので、ナレーションに依存すぎないように、グラフィックとのバランスを取ることも重要です。」

7:心地よいリズムを奏でる、自然のモーション

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−−TO-FUが制作するモーショングラフィックスは、穏やかな川のよう。滑らかに情報が流れてゆきます。どうすれば違和感を感じることがない、自然な動きを表現できるのでしょうか?

TO-FU「モーションは、不自然な動きを極力なくし、スムーズな動きになるようにいつも心掛けています。制作している時には特に意識しているわけではないですが、自然の中の動きを感覚的に取り入れているかもしれないです。」

−−北海道を拠点として制作されていることも、作品に良い影響を与えるきっかけになっているのかもしれませんね。

TO-FU「時間がある時には、なるべく外に出かけるようにしています。森や山や湖を散策して五感で味わいます。」

−−草木が揺れたり、水面が波打ったり…体感してきた自然のリズムが、無意識のうちに作品に再現されているのかも。

TO-FU「あとは、物理的で重力を感じるような自然な動き。規則的で機械的な動きなどにも人間は自然と気持ちよさを感じると思うんです。そのような動きを観察することが、モーションのヒントになっているのでしょう。」

−−物理学も元をたどれば自然から生み出されたもの。心地よい動きの原点は、自然が奏でるリズムにあったのですね。

いよいよ次回は最終回。第3回目は、話題のデジタルサイネージやモーショングラフィックスの未来についてお届けします。

(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)

 

クリエイター :TO-FU (大森 聖+大森 かずえ)

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モーショングラフィックス制作をメインに活動する日本のデザインスタジオ。札幌に拠点を置き、国内外を問わず多数の企業や官公庁などのクライアントと提携する。建築出身の強みを生かして、リアルな空間におけるモーショングラフィックスの活用を積極的に提案。特にデジタルサイネージへの導入は、空間デザインまでを含めたプランニングに定評がある。直近では、日本最大級の100台連続デジタルサイネージである「シリーズ・アド・ビジョン名古屋」を手がけた。TO-FUはTO FUTUREに由来。

TO-FU:http://to-fu.tv

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