そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

【第3回】テラダモケイから学ぶ 好きなことが仕事になる10のレッスン

      2015/05/09

テラダモケイから学ぶ 好きなことが仕事になる10のレッスン

 
こんなに売れている建築模型が今までにあったでしょうか…人々が集まるコーナーの先にはいつも、精巧なテラダモケイの世界が広がっています。紙の模型になっているのは人や家具、植物などのセットなのに、そこにはない建造物を感じる不思議。ついつい覗き込んでしまう、ミニチュアのかわいらしさと繊細さにのめり込んでしまう人も多いはず。そんな模型を愛して止まない第一人者である、テラダモケイの生みの親・寺田尚樹さんにお話を伺いました。好きなことが仕事になるためのヒントを全3回の連載でお送りします。
(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)

クリエイター :寺田尚樹(建築家・デザイナー)

 
テラダモケイさんのアイコン

67年 生まれ
89年 明治大学建築学科卒業
94年 英国建築家協会建築学校(AAスクール)ディプロマコース修了
03年 テラダデザイン一級建築士事務所 設立
11年 テラダモケイ 設立
現在 (株)インターオフィス 取締役
テラダモケイ:http://www.teradamokei.jp/

【第3回】テラダモケイから学ぶ 好きなことが仕事になる10のレッスン

8: 思いを共有する仕掛けを作るには?
9: 感情移入できるブランドを作るには?
10:「inter.office」

8: 思いを共有する仕掛けを作るには?

 

 
03teradamokei_01

 

テラダモケイの作品を見ていると、不思議と隣にいる人と話をしたくなりませんか?自分がワクワクしたこと、びっくりしたことを伝えたくなる…それは寺田さんが仕掛けた、思いを共有するためのデフォルメにありました。

寺田さん(以下敬称略)「ミニチュアになってカタチが単純化されているので、いろんな人がいろんな気持ちを込めることができるんです。その思いの込め方を誘導するのが、デフォルメの加減でそれが僕の仕事だと思うんですよね。」

−−思いを共有するための仕掛けを作るのも、クリエーターの役割なのですね。趣味でお料理もされるそうですが、そのような要素がありますか?

寺田 「料理のいいところは、数時間で出来て誰かと共有できること。そういうのってあまりないですよ。建築やプロダクトも誰かと一緒に作って、これはいいよね、と言うことはあるけれど…食べ物みたいにダイレクトに共有できるというのはないですよね。そういった意味で、食べ物や料理ってすごく面白い。感動を共有する、同じ物を食べて共有できるっていいことだよね。」

−−完成までの時間が短い、という視点が私には無かったので面白いです。作る過程についてはいかがでしょうか?

寺田 「料理を作る手順は至って合理的だし、そのプロセスは建築を作ったり、模型を作るプロセスと全く一緒なんですよね。材料の段取りをして、下ごしらえをして…そこで順番を間違えると、もたつくじゃないですか。間違えている間にパスタが伸びちゃったりする。いろんなことのタイミングを合わせてゆくのは、現場で建物を立てる段取り、プラモデルを作る段取りと一緒。そういったところの段取りはいつも考えています。」

“クリエーターは料理上手”とよく言われますが…その理由は、思いを共有できる仕掛けを段取りをふまえて作ってゆくからだったのですね。

9: 感情移入できるブランドを作るには?

03teradamokei_02

小さい頃の夏休みの宿題に始まり、今のお仕事でもいかに人を驚かせるかを考え続けている寺田さん。すごい!びっくりした!と言われるものを作るには、どんなことを習慣にされているのかを伺いました。

寺田 「僕は他の人と違う部分を見ているなと思うことがあって。同じ景色やテレビ番組を見ていても、他の人とは画面の違うところを見ている気がするんですよ。みんな気が付いていないけれど、こういう風に面白くなっているんだよというところを伝えたいんです。」

−−新しいものを創造するクリエーターとして、いつもどのようなことを心がけていますか?

寺田 「ステキ、かっこいい、感動したと言うのはみんなできる。だけどクリエーターというのは、それを違ったカタチに置き換えて、人に伝えることができるかだと思う。音楽家は音楽で表現する、文章を書く人は詩や小説で表現するかもしれない。僕の場合はプロダクトデザインなどで表現するようになるんだけれども、どうやったら人に伝わるかな?ということを常に考えているんです。」

−−自分の心がときめいたことをデザインに落とし込んで表現するのは、そのプロであっても難しいと感じますか?

寺田 「伝わらないですよ、そう簡単に。恋人にだって伝わらないし、家族にだって伝わらないんだから。例えば同じものを見ていて、桜が綺麗だねと言っていたとしても、たぶん人それぞれ全然違うことを考えているんです。いかに伝えるかっていうことを考えていなくてはいけないし、でも、考えているのは楽しいですね。」

−−寺田さんが面白いと感じたことを、模型を通じてたくさんの人に伝えられる場所。それがテラダモケイなのでしょうか?

寺田 「ブランドをつくるということに興味があって、テラダモケイも自ら発信するブランドです。それで人とのつながりができて、色々なコミュニケーションができる。色々な思いを共有できるんです。」

自らが感動したことだけでなく、それを受け取った人たちもそれぞれの思いを共有する場所…それがテラダモケイなのです。

10:「inter.office」

03teradamokei_03

東京の南青山にオフィスとショールームを構える輸入家具の専門店「inter.office」。ヨーロッパの高級オフィス家具を中心に取り扱い、販売はもちろん、オフィスやその他の空間デザインに至るまでをプロデュース。寺田さんはこちらの会社の取締役も務めていらっしゃいます。

−−外部提携ではなく、会社の一員として事業に取り組まれている理由を教えてください。

寺田 「外部の提携しているデザイナーがやるのと、中の人間がやるのとでは意味合いが違うんです。社員として、一員としてやらないと難しいこともあるし、中に入ると新しい関係性が掴める。その必要性があるんです。」

−−今後、どのようなオフィス家具を手掛けたいですか?

寺田 「コートラックやホワイトボード、傘立てなど…日本のオフィス家具メーカーもちゃんとやっていない、ニッチなものを模索中です。」

−−確かに、それらのプロダクトはどれも似通ったものが多いですね。

寺田 「ヨーロッパの高級家具を入れているオフィスに、今あるものを入れても全然合わない。そこまでのエネルギーの掛け方が違うので。値段の高い安いではなくて、ちゃんと時間をかけて考えたものを作りたいんです。」

−−時間を掛けた分だけ洗練され、その質が揃った物同士が調和を作るように思います。

寺田 「海外にはいいものがあるけれど、べらぼうに高かったりする。高品質な家具に合うコートラック…そういうの無かったよねと、気がつかなかったね、みたいに思ってもらえればいいなと。他にはあまり似たようなものがない、独自のもの。それをすごく大切にしています。」

寺田さんが時間を掛けて考え抜いた、調和のとれたオフィス家具。これらに囲まれて仕事をしたら、色んなアイデアが浮かんだり、気持ちよく作業が進みそうですね。2015年末のリリース予定まで、どうぞお楽しみに!

「inter.office」http://www.interoffice.co.jp/

(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)

 

クリエイター :寺田尚樹(建築家・デザイナー)

67年 生まれ
89年 明治大学建築学科卒業
94年 英国建築家協会建築学校(AAスクール)ディプロマコース修了
03年 テラダデザイン一級建築士事務所 設立
11年 テラダモケイ 設立
現在 (株)インターオフィス 取締役
テラダモケイさんのアイコン

【第3回】テラダモケイから学ぶ 好きなことが仕事になる10のレッスン

 - インタビュー, クリエイター, テラダモケイから学ぶ 好きなことが仕事になる10のレッスン, 寺田尚樹, 金曜日のクリエイター , , , , , , , , , , ,

crem fbpage header
(いいね!で最新記事を毎日受け取れるみたいですよ)

あなたの好奇心を刺激する
コラム、ビジュアルビュース、GIFマンガ、海外映像作品紹介記事を毎日配信

more