そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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第15回「パステル基調の色彩が印象的で可愛い、オリジナルgifアニメーション」

      2016/03/18

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GIFアニメーションの可能性-ニッポンのクリエイター

デジタルの動画技術としては古いと言われながらも、近年その魅力が見直されているgifアニメーションの可能性を探る本シリーズ。これまでの10回は特に“和”をテーマに様々なgifアニメーションを紹介してきました。11回以降は、日本人クリエイターという事にはこだわりつつ、テーマやスタイルはより幅広いところから作品をご紹介していきたいと思います。

日本人クリエイターにこだわりつつ、日本らしい作品はもちろん、自由で多彩なテーマやスタイルのgifアニメーションをご紹介しているシリーズ。今回は、フリーランスで活動されているクリエイター成島真衣さんのオリジナルgifアニメーション作品をご紹介します。

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本作品のクリエイター、成島真衣 (なるしま まい)さんは1984年生まれで東京都にお住まいです。CG制作会社にてイラスト・CG制作等の業務に携わった後、現在はフリーランスとしてイラストやアニメーション制作を手掛けられています。過去には、2015年7月に東京ビッグサイトで開催された 「第4回クリエイターEXPO」や、2016年2月から3月にかけてART FORUM One’s 自由が丘で開催された「ARTs*LABo 花と…展 2016・冬」など、様々な展示会に出展されました。展示だけでなくTシャツのデザインも手掛けるなど、精力的に活動されています。なお、成島さんのTシャツは、デザインTシャツ通販サイト「Tシャツトリニティ」(http://www.ttrinity.jp/shop/karimaro/)にて販売中です。

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(ARTs*LABo 花と…展 2016・冬 出展作品)

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また今後、6月に東京都杉並区のギャラリーカフェ「ぽたかふぇ。」で開催される「Badge~2週間だけの雑貨展~ 天使と悪魔編」や、8月に東京ビッグサイト西ホールで開催される「真夏のデザインフェスタ」に参加される予定です。

さて、冒頭にご紹介したハムスターたちのgifアニメ作品ですが、そのしぐさがなんとも愛らしいですよね。成島さんが現在発表されている作品の中では、いつまでも観ていられるほど個人的に1番好きな作品です。特に、手前のエサの器周辺にいる4匹のハムスターを見ていると、どういうしぐさがハムスターの可愛さをより際立たせるのか、とてもわかっていらっしゃると思いました。(余談失礼しました。)
第一印象はストレートな可愛さが目を惹いた成島さんの作品ですが、gifアニメーション作品としてその動きに注目して見てみると、丁寧で繊細な仕事をされている事が伺えます。作品の中で思い思いに過ごしているハムスターたちは12匹いるのですが、それぞれバラバラの動きをしているのです。もちろん、小屋で寝ていて背中しか見えていない3匹のように、非常に単純な動きのものもいます。しかし、寝ているだけの動きでも、小屋の3匹と小屋の外の2匹では、寝息を立てている(呼吸で身体が上下する)動きのタイミングが微妙に違っているのです。他にも、器にもたれるようにしてエサを食べているハムスターがモグモグと動かす口の動きにも細かな変化がつけられています。1匹ずつのハムスターの動きはそれぞれが短いループになってはいますが、動きの種類やループの間隔などを多様に組み合わせて、gifアニメーションとしても見ごたえのある作品になっていると感じました。

それでは、この他の作品もいくつかご紹介しましょう。

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1つ目の踊る女の子の作品は、女の子の髪形やファッションの変化で四季を表現されています。ピンクのリボンが春、ツインテールが夏、ベレー帽におさげが秋、イヤーマッフルが冬です。春夏秋冬を表現するファッションも、それぞれの季節らしさが出ている可愛らしさがあって良いですね。また、流れるように変化する女の子の動きが本当に滑らかです。

公園で遊ぶパンダたちの作品は、遊具ごとの小さなgifアニメーションが集合して大きな1つの作品となったものです。遊具ごとのループの動きはハムスターの作品に比べるとわかりやすいですが、たくさんのパンダが公園で遊んでいる楽しさがとても伝わってくる作品です。

そして3つ目はイギリスの児童小説「不思議の国のアリス」(著:ルイス・キャロル)をモチーフにしたgifアニメーションです。この作品も基本的には、白ウサギやチェシャ猫、ティーポットとティーカップなど、パーツごとの小さなgifアニメが集まって1つの作品として出来上がっています。物語を「動く1枚絵」として巧みにデザインされていますし、パステルを基調した淡い色彩ながらとても印象に残る色使いが素晴らしいと感じました。
ちなみに、今回はご紹介していませんが、こうした既存の物語を題材にした作品は、「不思議の国のアリス」の他に「シンデレラ」や「赤ずきん」をモチーフにしたgifアニメーションも制作されています。よりデフォルメされたデザインとシンプルなアニメーションが、“動く壁紙”といった感じでこちらも可愛い作品です。

今回ご紹介した成島さんの作品を過去のものから通して拝見すると、イラストのタッチや雰囲気などの違いはありますが、作品を創る上で意識されている芯のようなものは、しっかりと持たれていると感じました。そして、第一印象でパッと目を惹く可愛さはもちろんですが、それだけではなく色使いの美しさが個人的にはとても印象的でした。先の「不思議の国のアリス」gifアニメ作品をご紹介した際にも触れましたが、淡く穏やかな色彩のパステルカラーを主体にしながら作品として強く印象に残るのは、絶妙な配色バランスや全体的なまとまりがあるからではないでしょうか。今回ご紹介した作品はパステルカラーが基調のものが中心でしたが、もちろん、パステルカラーに限らず、鮮やかな色彩であっても悪い意味での派手さや嫌な強さがなく、柔らかさを感じる色使いが素晴らしいと思いました。
アニメーション(動き)についても、特に近年の作品はハムスター作品や、「不思議の国のアリス」作品など、同じ動きでループする小さなgifアニメを巧みに組み合わせて、1つの動画作品として見ごたえのあるものになっています。元々の原理が静止画の連続である“パラパラ漫画”である事を、忘れてしまうようなgifアニメーション作品でした。

以上、今回ご紹介した作品をはじめとする成島さんのgifアニメーション及びイラストレーション作品は下記サイトにて公開されています。ぜひご覧ください。

 

取材させていただいたクリエイター・WEBサイト

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http://karimaro.tumblr.com/

デザインTシャツ通販サイト「Tシャツトリニティ」
http://www.ttrinity.jp/shop/karimaro/

執筆者:小木奏英

オモロイモンをこよなく愛する生粋の関西人。音楽系法人、小学校、法律事務所勤務を経て、なぜかエンタメまわりのライターに。座右の銘は「明日は明日の風が吹く」

第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

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