そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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第14回「ユニークなアイディアが魅力 しりとりgifアニメーション」

      2016/02/18

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GIFアニメーションの可能性-ニッポンのクリエイター

デジタルの動画技術としては古いと言われながらも、近年その魅力が見直されているgifアニメーションの可能性を探る本シリーズ。これまでの10回は特に“和”をテーマに様々なgifアニメーションを紹介してきました。11回以降は、日本人クリエイターという事にはこだわりつつ、テーマやスタイルはより幅広いところから作品をご紹介していきたいと思います。

日本人クリエイターにこだわりつつ、日本らしい作品はもちろん、自由で多彩なテーマやスタイルのgifアニメーションをご紹介しているシリーズ。
本年も様々な視点から素晴らしい作品、そしてクリエイターをご紹介していきたいと思いますので宜しくお願い致します。
さて、2016年最初にご紹介しますのは、株式会社アニメトロニカのtumblrサイト「Shiritori Animation」です。このサイトで公開されている作品も、昨年末開催された日本最大級のgifアニメコンテスト「the GIFs -Award of GIF creator- 2015」に応募されていました。

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「ねるそん・まんでらもす」(「ネルソン・マンデラ→ラモス」)

本作品を発表されている株式会社アニメトロニカは、上田走さんと大類道久さんの映像ユニット「OHRYS BIRD」の業務を法人化するために2007年10月よりスタートしました。前身である「OHRYS BIRD」は、2002年に音楽バンドとして結成されましたが、そのバンドのwebサイト制作に力を入れすぎて、翌2003年よりアニメーション制作を開始。その後、応募したコンテストに入賞したことで、“映像制作ユニット”として活動を本格化されました。

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現在では子供番組やCM、ミュージックビデオなどを中心にアニメーションを提供されています。また、イラストレーションや、元々音楽活動をされていた経歴からアニメーションに使用されるBGMやSEの制作も手掛けられるなど、幅広く活躍されている総合的なアニメーション制作ユニットです。

「Shiritori Animation」は、いわゆる「お絵描きしりとり」をgifアニメーションで表現した作品集(サイト)です。例えば、「しりとり→りんご」というように、1つのgifアニメーション作品で1つのしりとりを表現します。

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「しりとりんご」(「しりとり」→「りんご」)

そして、次のgifアニメは「りんご」からまた1つしりとりを表現します。

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「りんごじら」(「りんご」→「ゴジラ」)

そして、次のgifアニメは「ゴジラ」からしりとりを表現する…という事を繰り返していくのです(ここではご紹介しませんが、公開されていた作品は「ゴジラ→ラジオ」で「ごじらじお」でした)。それでは、個人的に気に入ったものをいくつかご紹介しましょう。

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「ぐみょうが」(「グミ」→「みょうが」)

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「ろばいく」(「ロバ」→「バイク」)

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「やきとりす」(「やきとり」→「リス」)

いかがでしょうか。“しりとりをgifアニメーション(動きをつけて)で表現した作品”と、さらっとご紹介していますが、その動きや変化のさせ方は本当に多彩で面白いですね。
パッと見て、巧くみせているなと思ったのは「やきとりす」です。焼鳥のアップからそれを丸かぶりするリスという風に見せる流れは見事です。ほお袋をパンパンにしながらモグモグするリスの動きが単純に可愛くて印象的だったということもあります。この“食品を食べる何者か”という変化は「りんごじら」も同じです。真っ赤なりんごを一口で丸かじりする巨大な口、その正体はゴジラだった-。極短ながらもストーリーや動きに自然な流れが感じられるアニメーションはやはり面白いと思いました。

その、ストーリーが感じられる作品で特に楽しかったのは「ぐみょうが」です。このグミは人のような形をしていますが、実はキングコングから変化したものです(1つ前の作品が「きんぐこんぐみ」(「キングコング」→「グミ」)。そして、それが動き出し某ライダーばりにポーズを決めてみょうがに変身するという、奇想天外すぎる作品です。グミを変身させるというアニメーションのアイディアが、次の絵(言葉)を決めるより先だったのか後だったのかはわかりませんが、gifアニメーションでみょうがへの変身を描くというセンスは“しりとり”というテーマがあったからこそ生まれたのではないでしょうか。

一方、「ねるそん・まんでらもす」と「ろばいく」は、アニメーション(変化の動き)自体が印象に残った作品です。「Shiritori Animation」に掲載されているgifアニメーションは、全体的に動きがとても滑らかなのですが、「ねるそん・まんでらもす」はモーフィングの様な変化で滑らかさが活かされた作品だと感じました。ネルソン・マンデラ(南アフリカ共和国第8代大統領)とラモス(ラモス瑠偉 日本に帰化したブラジル出身の元サッカー選手)という組み合わせも、先に述べた通りしりとりというテーマがあってこそのユニークな選択だと思います。そして「ろばいく」は、見た時に乗り物がロボットにトランスフォームする作品がパッと思い浮かんで目をひきましたが、じわじわと印象に残るようになった作品でした。ロバの後ろ足がバイクの後輪になり、前足が前輪を支えるフロントフォークになるなど、変化の過程も理にかなっているのではないでしょうか。最後に前輪のタイヤが転がってきて完成するところもgifアニメーションとしてうまくオチがついたと感じました。また、人が1人で乗れるものという共通項もあり、しりとりとしても巧みだと思いました。

以上、今回ご紹介した作品を含めて「Shiritori Animation」で公開されているgifアニメは50作品にものぼります(その他、2016年 年賀gifアニメーションが公開されています)。その作品全てに対して、しりとりとして次をどの言葉(絵)にするのか、また、Aの絵(言葉)からBの絵(言葉)にどのようなアニメーション(動き)で繋げるのか、という事を考えながら魅力あるgifアニメ作品を1つ1つ制作し続ける事は、本当に様々なアイディアが必要となるでしょう。今回はごく一部の作品しかご紹介できませんが、それでも本作品集のアニメーションの多彩さや面白さが感じられたのではないでしょうか。

今回ご紹介した「Shiritori Animation」は、gifアニメーションでしりとりをしていくという大きなテーマの中で、1つ1つのgifアニメーションの完成度が高く、それぞれに個性と魅力をみせている非常に面白いgifアニメーション作品集(サイト)だと思いました。また、本作品集(サイト)の特徴の1つでもある、愛嬌たっぷりのゆるい絵柄も個人的にはとても好きになりました。最初から順番に見ていると、しりとりをテーマにした動く2コマ漫画の連作を見ているような楽しさがあります。「Shiritori Animation」は最初から見て頂くことをお勧めします。

尚、今回ご紹介した「Shiritori Animation」をはじめ、株式会社アニメトロニカが制作された作品は下記関連サイトにて公開されていますので、ぜひご覧ください。また、今回の作品は、株式会社アニメトロニカのスタッフであり、個人作家としても活動されている土本亜祐美さんが中心となって制作されました。土本さん個人の作品も合せてご覧ください。

 

取材させていただいたクリエイター・WEBサイト

Shiritori Animation
http://shiri-tori-animation.tumblr.com/

株式会社アニメトロニカ 
http://www.ohrysbird.com/animetronica/

facebook
https://ja-jp.facebook.com/OHRYSBIRD

土本亜祐美(つちもとあゆみ)
http://tsuchimotoayumi.wix.com/tsuchimotoayumi

OHRYSBIRD
http://www.ohrysbird.com/

執筆者:小木奏英

オモロイモンをこよなく愛する生粋の関西人。音楽系法人、小学校、法律事務所勤務を経て、なぜかエンタメまわりのライターに。座右の銘は「明日は明日の風が吹く」

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