そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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第12回「ポートレイト写真とGIFアニメーションを組み合わせた新感覚グラビアサイト」

   

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GIFアニメーションの可能性-ニッポンのクリエイター

デジタルの動画技術としては古いと言われながらも、近年その魅力が見直されているgifアニメーションの可能性を探る本シリーズ。これまでの10回は特に“和”をテーマに様々なgifアニメーションを紹介してきました。
今回からは、日本人クリエイターという事にはこだわりつつ、テーマやスタイルはより幅広いところから作品をご紹介していきたいと思います。

今回は、アートディレクター及びグラフィックデザイナーとして多方面で活躍されているKASICOさんが主宰する新感覚ファッショングラビアサイト「グラフィックガール」からいくつか作品をご紹介します。

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KASICO(柏原雅也)さんは1985年東京生まれ。デザイン会社を経て2013年に独立し、CDジャケットやポスターなどのデザインからアーティストのミュージックビデオまで、幅広い分野で作品を手掛けられています。KASICOさんは、グラフィックはもちろん、映像やアニメーション、テキスタイルデザインなど様々な手法を用いたトータルなディレクションを得意とされていて、その作品は明快かつポップな表現が特徴的です。
今回ご紹介しているグラビアサイト「グラフィックガール」(http://g-girl.org/)を主宰されているほか、テキスタイルブランド「DORAMIK(ドラミック)」を展開されるなど、非常に精力的に活動されています。

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“グラビア業界に革命が起きた”と大きな話題になっているグラビアサイト「グラフィックガール」は「ファッション、写真、アニメーション、グラフィックを混ぜたコンテンツで何か面白い事ができないか」との思いから、KASICOさんが約3年の構想の後に立ち上げられました。(webサイト「Fashionsnap.com」(http://www.fashionsnap.com/news/2015-01-09/gif-fashion/) 2015年1月9日ニュース記事より)
「グラフィカルな彩度を帯びた女の子は最強にカワイイ」をコンセプトに、写真とグラフィック、そしてgifアニメーションを融合させたアーティスティックなグラビア作品を、写真家のGenki Itoさんと共に数多く制作、公開されています。
2015年7月22日には、クリエイティブディレクションやプロデュースを手掛けるソーシャルメディアプロジェクト「2.5D」(http://2-5-d.jp/)とのコラボレーションによる、新感覚エンターテインメントショー「GIRLS DON’T CRY」(http://2-5-d.jp/feature/girls-dont-cry/)が開催されました。その会場では、イベントに出演していたモデルが参加して「グラフィックガール」の公開グラビア制作ショーも行われ、人気を博していました。さらに、本イベントと連動した展示会「渋パル展」が7月17日から8月21日まで開催されるなど、注目を集め続けています。

「グラフィックガール」に公開されているグラビアは、冒頭にご紹介した作品をはじめ、女の子たちの写真や動画と大胆な手描き風グラフィックが様々な形で融合している事が大きな特徴の1つとなっています。女の子の写真(3次元静止画)の周囲を生き物のように動き回るグラフィックや、パステルカラーのポップなグラフィック(2次元)世界に紛れ込んだような女の子たちなど、2次元と3次元の狭間の世界を観るような非現実的で独特な雰囲気が魅力です。モデルとなっている女の子たちの魅力をより引き出す新しいスタイルのグラビアとしてはもちろんですが、1つのgifアニメーション作品としても、観ていてとても楽しいです。

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ちなみに、個人的に一番好きなグラビアはこれです。

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振り返る時の軽やかな髪の動きを強調するラインや水しぶきのような効果、そしてウィンクした時に現れてふわっと消えるハートが印象的で、特にハートの動きは一瞬なのですがとてもキュートです。この作品では、女の子の動きに合わせて漫画的な特殊効果がグラフィックで表現されていて、他のグラビアに比べると華やかさやインパクトなどはやや控えめなのですが、目を惹かれて何度もループして観てしまったほど、とても印象に残っています。

さて、“写真とgifアニメーションの融合”というと、以前にご紹介したシネマグラフもその1つであり、古典的な技術であるgifアニメーションが改めて注目されるきっかけとなった表現技法です。「グラフィックガール」の中にも他のグラビアとは少し雰囲気の違う、シネマグラフとグラフィックを融合させた興味深い作品があります。

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静の中の密かな動が目を惹くシネマグラフは、お洒落な雰囲気が人気で“写真以上、動画未満”などと言われています。個人的には、時間的な非現実感がシネマグラフの大きな魅力ではないかと考えているのですが、このグラビアは、そのシネマグラフに手描き風の動くグラフィックがプラスされることで、3次元と2次元の融合による空間的な非現実感も加わった、とても面白い作品だと思いました。

「グラフィックガール」のグラビア、特にアニメーション作品を観ていると、女の子たちをよりポップに可愛く魅せるために、gifアニメーションだからこその特性がとても活かされているように思います。gifアニメーションは使用できる色数やサイズに制限があるため、写真を元に制作しようとすれば画質は粗くなり、動きも硬くなってしまいます。けれど、それが良い意味で作品の風味となり、手描き風のグラフィックと共に、女の子たちそれぞれの“カワイイ”を演出する要素の1つになっていると感じました。そして、そうした古典的で手軽なデジタルアニメーションの表現技法だからこそ、リアルの女の子たちと組み合わせても邪魔をすることなく、彼女たちの魅力をより引き立たせていたのかもしれない、とも個人的には思いました。

新感覚ファッショングラビアサイト「グラフィックガール」には、今回ご紹介した以外にも中毒性のある作品が多数公開されていますので、ぜひご覧ください。KASICOさんが制作される新たな作品やプロジェクトなど、今後の活動にも注目したいです。

 

取材させていただいたクリエイター・WEBサイト

「グラフィックガール」
http://g-girl.org/

「KASICO」(webサイト)
http://kasico.jp/

執筆者:小木奏英

オモロイモンをこよなく愛する生粋の関西人。音楽系法人、小学校、法律事務所勤務を経て、なぜかエンタメまわりのライターに。座右の銘は「明日は明日の風が吹く」

第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

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