そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

      2015/08/11

第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

GIFアニメーションの可能性-ニッポンのクリエイター

デジタルの動画技術としては古いと言われながらも、近年その魅力が見直されているgifアニメーションの可能性を探る本シリーズ。これまでの10回は特に“和”をテーマに様々なgifアニメーションを紹介してきました。
今回からは、日本人クリエイターという事にはこだわりつつ、テーマやスタイルはより幅広いところから作品をご紹介していきたいと思います。

さて今回は、カナダ在住の日本人クリエイター水島ひねさんのフェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション作品をご紹介します。

第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

「Self-Extinguishing Firebug(セルフ放火魔/消火魔)」

第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

「3D Printer」

水島ひねさんは神奈川県に生まれ。美術大学で日本画を専攻したのち、東京でイラストレーター及びデザイナーとして勤務されていました。その後、ローマ、パリ、ニューヨークと移り住み、8年前からはご家族と共にカナダのバンクーバーで生活されています。ニードルフェルター、イラストレーター、パペットコマ撮りアニメーションアーティストとして幅広く活躍する水島さんは、職業の1つとして「スロークラフター」を名乗られ、丁寧でありながらも精力的に製作活動を展開されています。水島さんの作品は、ニューヨーク、シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、東京、大阪などのギャラリーで展示・販売されているほか、オンラインハンドメイドマーケット「Etsy」でも販売されています。

第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

「(Super Low-Tech)Apple Watch」(フェルト)

第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

「Invertebrate Sleep Habits(無脊椎動植物における睡眠習性)」(フェルト)

第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

「The Royal Kingdom of the Sleepy Forest」(ペーパークラフト)

水島さんは、2007年にニューヨークのロックバンド「They Might Be Giants」のプロモーションビデオ撮影のために初めてニードルフェルトのキャラクターを製作されました。それをきっかけにフェルト人形製作魅力に目覚め、そこから本格的に製作活動を始められ、Etsyでショップをオープンするまでに至ったそうです。ロックバンドのプロモーションビデオの仕事が無ければ、フェルト人形製作はしていなかったかもしれないと海外サイトのインタビューで語られています。現在では、作品が欧米のクラフト・アートブックや絵本、雑誌などにも掲載され、多くのファンに支持されるクリエイターとして活躍されています。

さて、ここまでご紹介した通り、水島さんのgifアニメーションは映像そのものに加えて登場するフェルト人形も水島さん自身が製作されたものです。どちらの作品も非常にユニークで楽しい作品です。
「セルフ放火魔/消火魔」は、火が着いてビックリしたりすすんで水をかけてもらう(ように見える)カタツムリ(本体)の動きも面白いのですが、腕が生えて淡々と放火して消火する貝…ではなくキノコから目が離せませんでした。フェルトの素材を活かした炎の表現も素敵ですね。また「3D Printer」は、印刷された写真(絵)から立体的な人形への変化が自然で、立体として実体化したイカがこちらに向かって足を振っているしぐさがかわいいと思いました。

水島さんの製作する作品(キャラクター)は、フェルト人形に限らずイラストなども少しゆるくて少し懐かしさも感じる独特の愛嬌があります。女の子や小動物、イカやタコ、キノコ、アップルウォッチなどモチーフは多岐にわたり、かわいい“ゆるキャラ”的な雰囲気があるものから、見る人によってはかなりシュールに感じるかもしれない奇抜で個性的なものまで作風の幅も広く、その事も魅力の1つになっているのではないでしょうか。また、鮮やかでポップな色合いも目を引きました。様々なモチーフで製作されている水島さんの作品ですが、全体を通してどこか温かみや柔らかさが感じられるように思います。特にフェルト作品については素材の質感も手伝って、かわいいモチーフの作品はより優しくキュートに、奇抜でシュールなモチーフはそのインパクトを程よくマイルドにして、他にない独創的な作品に仕上がっていると個人的には感じました。

今回ご紹介したgifアニメーションについても、水島さん自身が製作された愛嬌たっぷりのフェルト人形の魅力に、ストップモーション・アニメーション(コマ撮り)特有のコミカルな風味がとてもマッチしていたように感じました。そしてそこに、どんなストーリーでどんな風にキャラクター達を動かすのかというアイディアの面白さが加わって、とても魅力的で楽しいgifアニメーション作品になったのではないかと思います。

先に述べた海外サイトでのインタビューで水島さんは「自分の作る作品で人々を笑顔にしたい」と語られていました。その言葉通り今回ご紹介したgifアニメーションも、思わずクスッと笑ってしまいました。カタツムリ(+キノコ)やイカなど好き嫌いが分れるモチーフだと思うのですが、俗に言う“じわじわくる”という感じでしょうか、何となくずっと見てしまうちょっと不思議で素敵な作品でした。水島さんの作品は、gifアニメーションはもちろんですが他の作品も含めて、今回ご紹介した作品のように笑いを誘うものや、見ていて気持ちがほっこりするものなど、それぞれに独特な魅力があると感じました。水島さんがこれから生み出す新しい作品も非常に楽しみです。

尚、今回ご紹介した以外の水島さんのgifアニメーション作品や、フェルト人形、イラスト作品が下記サイトに掲載されていますので、ぜひご覧ください。また、フェルト人形やプリント作品については、下記Etsyショップにて販売もしていますので、気に入った方はそちらもチェックしてみてください。

 

取材させていただいたクリエイター・WEBサイト

「Hiné Mizushima」(Web site)
http://www.hinemizushima.com/

Behanceポートフォリオ
https://www.behance.net/hine

「A Slow Crafter」(tumblr)
http://sheishine.tumblr.com/

Twitter
https://twitter.com/hine_art

Etsy shop
https://www.etsy.com/shop/hine

執筆者:小木奏英

オモロイモンをこよなく愛する生粋の関西人。音楽系法人、小学校、法律事務所勤務を経て、なぜかエンタメまわりのライターに。座右の銘は「明日は明日の風が吹く」

第11回「フェルト人形を使ったストップモーションgifアニメーション」

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