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第8回「ノスタルジーを感じてほっこりするオリジナルgifアニメーション」

      2015/05/07

第8回「ノスタルジーを感じてほっこりするオリジナルgifアニメーション」

連載:GIFアニメーションの可能性-和の融合-

近年、様々なウェブサービスやアプリなどの登場によって、誰もが気軽にgifアニメーションを作成できるようになり、改めて注目が集まっています。たとえ、デザインやグラフィックに関して高度な技術がなくても、素材や見せ方、アイディア次第で魅力的な作品を生み出す事ができるgifアニメーション。そんな、まだまだ可能性を秘めたgifアニメーションを、様々な視点から紹介していきたいと思います。

“和”をテーマに、様々なgifアニメーションを紹介するシリーズも第8回目です。

第6回、第7回と、現代の「東京」を題材とした作品をご紹介しましたが、今回はちょっとノスタルジーを感じさせる雰囲気が魅力のオリジナルイラストをgifアニメーションにした作品をいくつかご紹介します。イラストレーター二村(にむら)大輔さんの作品です。

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「おはよーございーます!」

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「LIFE is MAGIC!-コラボレーション」

どちらも日本の小学生くらいの男の子や女の子がモチーフとなっています。シンプルながら味わいのあるキャラクターと、どこか懐かしさを感じさせる雰囲気が見ていてほっこりする作品です。

このgifアニメーションを手掛けたイラストレーターの二村大輔さんは1978年生まれ、大阪の出身です。美術系の高校・専門学校を卒業後、イラストレータとして活動を開始されました。現在では拠点を東京に移し、広告、雑誌、ウェブ、テレビ等のイラスト制作をメインに活動されています。また、近年ではアニメーション制作にも活動の場を広げられ、大阪の音楽イベント「寺田町フェスティバル」のモーションフライヤーのアニメーションを担当されました。

teradacho festival 2013 motion flyer:
https://youtu.be/LErxJbXh2rM?list=LLKvhrJRw61fR6C-cdBeTSEA

さて、今回の二村さんの作品ですが、「おはよーございーます!」はタイトル通り、元気よく挨拶した小学生の男の子のランドセルがちゃんとロックされておらず、お辞儀の拍子に中身が全部出てしまうという状況がgifアニメーションで表現されています。“ランドセルあるある”とも言えると思うのですが、小学生の頃、多くの人が1度はやってしまった事がある失敗ではないでしょうか。また、野球帽に短パンというスタイルの小学生がどこか懐かしさを感じさせます。最近でも、こうしたスタイルの小学生をたまに見かける事はありますが、やはりどこか昭和の雰囲気が漂っているように思えます。

そして、「LIFE is MAGIC!-コラボレーション」は、謎の動きをする男の子と手遊びをする女の子のなんとも不思議な味わいのあるgifアニメーションです。このアニメーションは元々、個別の2つの作品でした。こちらです。

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「LIFE is MAGIC! – どーんどーん」

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「LIFE is MAGIC! – アルプス一万尺の少女」

男の子がモチーフの「どーんどーん」の動きは、片方の手をもう片方の服の袖口から入れて両腕で輪を作り上下させているように見せ、反対側の腕を袖から抜いて胸のあたりに持って行き服の下から突き出すという動きを交互に行っています。そして女の子はタイトルにもある通り、向かい合った2人で行う「アルプス一万尺」の手遊びをしています。この女の子の服装や髪形にも、やはり昭和を感じてしまいますね。
「コラボレーション」は、男の子は「どーんどーん」の動きで女の子の「アルプス一万尺」の相手をしているようですが、この2つを合わせようというアイディアも面白いですし、見た目もコミカルで楽しいgifアニメーションです。こちらの作品も見た時にとても懐かしく感じたのですが、特に「どーんどーん」の方は思わず「懐かしい」と声にしてしまいました。小学生の頃に、クラスの男の子がよくこの動き(遊び?)をして面白がっていた事を思い出しました。胸から突き上げる方の動きを余りに勢いよくするので、服をちゃんと着直した時に胸のあたりだけがヨレヨレになっていたりしたものです。アルプス一万尺も、この女の子の動きは1番の時の動きで、2番、3番と複雑になっていったはずですが、歌詞ともどもすっかり忘れてしまっていました。今の子ども達も「どーんどーん」のような動きや「アルプス一万尺」のような手遊びをするのでしょうか。世代の問題もあるかもしれませんが、個人的に心を掴まれた作品でした。

今回のアニメーション作品の制作者である二村さんは、ご自身のプロフィール紹介の中で次のようなコメントをされています。

見た人が穏やかに楽しく、平和な気持ちになる創作を心がけ、僕にしかできないエンターテインメントを目指しています。

今回の作品に限らず、他のgifアニメーションやイラストレーションもそうですが、二村さんの作品は全体的に柔らかい雰囲気が特徴的で、見ていて気持ちがほっこりするような独特の魅力があると思います。実際今回の作品についても、見た時は懐かしさと共にユーモアも感じ、クスッと笑えて暖かい気持ちになりました。もちろん懐かしさやユーモアだけでなく、二村さんの作品にはシュールなものからほのぼのとしたもの、インパクトのあるものなど様々な作品があります。ただ、二村さんが「見た人が穏やかに楽しく、平和な気持ちになる創作」を心がけられている事は、多くの作品に共通して感じました。いくつか作品を見ていて、どこかゆるくてじわじわと面白みが出てくるような印象を持ったのですが、その後にプロフィールの先ほどご紹介したコメントを読み、二村さんの作品の魅力の源はそういうことかと、とても納得しました。そんな独特の作風である二村さんのイラストレーションに、gifアニメーションによる動きが加わった事で作品が持っている元々の魅力がより際立ち、作品としてさらに楽しめるものになったのではないでしょうか。個人的には、素朴ながらも印象に残る二村さんの作風はgifアニメーションと相性がとても良いと感じました。今回ご紹介した作品は、二村さんのイラストレーションの個性と魅力が発揮されたgifアニメーションだと思います。

今回の作品を含む二村さんのイラストレーションやgifアニメーションは下記サイト「Nimura daisuke Web|Artworks on tumblr」にて公開されています。新しい作品も精力的に制作されていますので、ぜひご覧ください。

取材させていただいたクリエイター・WEBサイト

「Nimura daisuke Web|Artworks on tumblr」
http://nimuradaisuke.tumblr.com

「Nimura daisuke Web」
http://cwoweb2.bai.ne.jp/baghjitten/

執筆者:小木奏英

オモロイモンをこよなく愛する生粋の関西人。音楽系法人、小学校、法律事務所勤務を経て、なぜかエンタメまわりのライターに。座右の銘は「明日は明日の風が吹く」

GIFアニメーションの可能性-和の融合-

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