そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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可愛いだけでは終わりたくない。obetomo氏の世界観の作り方。【ペロポンパップポロンチョ】

      2017/01/30

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 色彩と構成による独特の世界観を形づくりながら、「ペロポンパップポロンチョ」や「シャキーン!」の『おべとも学園』などの作品で全国の子どもたちから人気を集めるイラストレーター・アニメーション作家のobetomo氏。可愛いだけに留まらないobetomo氏のアニメーション・キャラクターの魅力はどのように生まれたのか。クリエイターを目指す方には必見のインタビューです。ぜひお楽しみください。

クリエイター:obetomo(イラストレーター・アニメーション作家)

obetomo1979年東京生まれ。2004年スイスイ社入社。色彩と構成に強烈な個性をもち、独特の世界観を形づくる。デビュー作のアニメ「おべとも学園」はEテレで5年間にわたり放映され、全国の子どもたちに大人気に。

obetomo WEBサイト:http://www.obetomo.com
Twitter:https://twitter.com/obetomo
YouTube「おべチャンネル」:https://www.youtube.com/channel/UCtUNgELNRgFnqfrUlx6Afag
ESSE web連載「obetomoニャビンとキャビンの手作り工房」:http://blog.fujitv.co.jp/esseweb/obetomo/index.html

可愛いだけでは終わりたくない。obetomo氏の世界観の作り方。

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—まず始めにどういった経緯で今のお仕事にたどり着いたのか、おべともさんのルーツを教えていただけますか?

おべともさん(以下敬称略) 2,3歳の頃から紙と鉛筆さえあればどこでも静かにしている子でしたね。
兄がいるんですけど、その兄の絵が上手くて。それの真似して私もずっと絵を描いていたので、イラスト自体は兄の真似から入ったという感じです。
 小学生中学生の頃は、絵だけが取り柄の子で、他の勉強だとか体育は苦手だけど、図工と美術の成績は良くて。それの流れで、高校で将来何するかが全く決まっていなかった時に、友達が美大受験をするということを聞きまして。その子に美大進学のための予備校に通うように誘われたのをきっかけに美大に進むことに決めました。二浪はしてしまったんですけど、そこからやっと今の自分の道に進み始めたという感じです。

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—小さい頃はお兄さんと競い合う様に描いていたのですか?それとも見て欲しかったのでしょうか。

おべとも どちらの感情もあまりなかったですね。でも、親が壁に完成した絵を貼ったりしてくれて、「よく描けてるね!」って言ってくれたり、そういうのは確かに嬉しかったです。

—その当時はどのような絵を描かれていましたか?今と通じているものはあったのでしょうか。

おべとも すごいちっちゃい頃はウルトラマンとかE・Tとか、そんなのを描いていましたね。(笑)

—映像を元にしたものが多かったのですね。

おべとも そうですね、アニメをすごい見ていたので、その影響は受けていたと思います。

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—アニメーションが小さな頃から経験として蓄積されていたんですね。今のおべともさんのイラストは可愛くて、独特の色使いなどの特徴があると思うのですが、そう言った世界観は幼少期の頃から培われていったものでしたか?

おべとも その頃はまだ色使いは今みたいじゃなかったと思うんですけど、五歳までアメリカで暮らしていたので、そのときに身の回りにあったおもちゃや雑貨のアメリカンな色彩に影響受けているかもしれません。
 あとは、アニメと漫画を小さい頃から良く読んでいたのですが、それは絶対に絵を描くためのコツだと思っているんです。特に私が読んでいたのはドラえもんやサザエさんなど単純化された動きの作品が多かったですね。家にほぼ全巻あったので毎日のように読んでいました。そういうキャラクターの動きが自然と頭に入っていたのかもしれません。

—ドラえもんやサザエさんのようなデフォルメされたキャラクターに影響を受けている?

おべとも 当時は思わなかったんですけど、今自分の絵を見ると、表情とかが絵を見ただけで喜怒哀楽が分かるような絵が多いので、影響受けていたのかな、と。

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—他にも、こういうものが自分の作家性に繋がっているな、というものはありますか?

おべとも 色に関して言うと、高校生の頃に若野桂さんっていうイラストレーターの方にも影響を受けていますね。その人が描くイラストがすごく格好良くって。パソコンで作ったデジタルのもので、当時はすごく斬新なものだったんですよね。それにはすごく衝撃をを受けました。すごくパキッとした黒が結構効いてて、ピンクが鮮やかな感じのイラストだったんですけど、見た時に、「この色が格好良い!」と思って。その頃ちょうど美大受験の予備校に通っていたので、それをよく真似していたというか、そういった作品をよく描いていました。
 それともう1人、オーブリー・ビアズリーっていうイラストレーターの絵がすごく好きで。1800年位の昔の方で、白と黒だけの一見気持ち悪いような絵なんですけど。それを真似している時期もありましたね。大学生ってそういう気持ち悪い系の絵を描く時期がみんなあるんと思うんですけど、それです。(笑)少し毒をいれたり、可愛いだけでは終わりたくない、っていう気持ちはそこからも来ているかもしれないですね。
 あとはビートルズのイエローサブマリンも大好きです。ただ私、好きすぎるものを見るとこれには敵わないなあって、気持ち悪くなってしまうので。部分部分しか見れていないんですけど。(笑) でも色使いであったり線の感じであったり、全部が大好きです。

—ドラえもん、サザエさんから始まって、本当に様々な方から影響を受けてますね。

おべとも ですね。混ざり合っていると言いますか、その全てから影響を受けていると思います。

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—アニメーションを仕事にされるまでに何かターニングポイントはありましたか?

おべとも 最初に会社入ってから3、4年何も仕事がなくって、会社のブログを書けと命令されて書いていたんですけれど。(笑) そこで「日々ごと研究所」って言うタイトルでその日にあった出来事とか、自分ならこう思うなあ、って思うことを書いていたら、社長が、「面白いからこれをアニメーションにしてみなよ」って言ってくださって。まだその時はFlashも使えなかたんですけど、2週間あげるからって言われて。家にこもって、初めてFlashをつかってとにかく必死にやって。1分半くらいの作品だったんですけど、「面白いよ!せっかく作ったんだから売り込みに行こう!」とも言ってくださって。

 それを持っていろんなところに営業をしたら、たまたま「シャキーン!」のディレクターさんから、このテイストで小学生向けの話とか出来ないか、とのお話を頂いて。正直出来るかはわからなかったんですけど、「出来ます!」と即答しまして。おべとも学園っていうコーナーを任せていただくことができました。

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—日々やっていたことから、新しくアニメーションに挑戦をしたということが今のお仕事のきっかけだったんですね。
それまではアニメーションは制作されていなかったんですよね?

おべとも そうなんですよ。それまでは絵しか描けないただの人という感じだったので。会社でも絵が売れているわけでもないし、雑用ばっかりやっていて、肩身も狭いし、帰り道とかなきながら帰ったこともあったり…そういう日々が続いていたんですけど。そんな中でアニメーションっていう新しい道が開けたことは大きかったですね。

—おべともさんの出発点はアニメーションというわけではなかったんですね。

おべとも はい、漠然とアニメを作りたいなっていうのはあったんですけど、どうやるかも分からなかったし、きっかけもなかったので。やれと言われたことが結果的に良い方向に向かって良かったですね。

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—今の作品で大切にしている価値観や、自身の思う作家性を教えていただけますか?

おべとも うーん、難しいですね。キャラクターをいきいきと可愛くする、ということは一番に考えています。

—それはキャラクターの動きの部分ということでしょうか?

おべとも そうですね、キャラクターを動かすこと自体がすごく好きなんですけど、それに加えて動かした時のちょっとした仕草で人に可愛いと思ってもらえるものを作るのが楽しいと言いますか。

—それは先ほどの漫画的なキャラクターの動きがつながっているのかもしれませんね。
制作した作品について、こういう風に見て欲しいであったり、どういう人に向けて作っているであったり、何かそういったメッセージ性を込めたりはされていらっしゃいますか。

おべとも でも、言われてみると子供向けに作っている作品が多いですね。でも、その時間が立つうちに子供向けだけではなくなってきてしまって。自分がいいと思うようなものも作りたくなって、ブレちゃう時があるんですよね。

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—意識をせずに、番組のなかでキャラクターが流れ星さんに近づいたり、輪郭が付いていくというのはキャラクターの作者として嬉しいことなのでしょうか?

おべとも そうですね。自分の作ったキャラクターに他の人が声を付けてくれるというのが初めてなので、すごく新鮮ですし面白いですね。私と別のところで人格が育っているような感覚です。ペロポンパップポロンチョ以前は声も自分で入れていたので、自分の中でキャラクターが完結してしまっていたんですけど、新しいものになっているなという感じがしますね。

—「ニャビンとキャビン」はおべともさんの声ですよね?

おべとも そうです。あんまりぱっとしないんですけれど。(笑)

—自分ではない誰かが声を付けてくれて、キャラクターが別人格に育つ方がよいと感じているのでしょうか?

おべとも 今はそうですね。自分じゃ考えられないことを喋ってくれるので。

—今までで特におべともさんの想定と違ったシーンはありましたか?

おべとも パップ君の「P・P」を私は単純に名前から付いているものかと思っていたんですけど、流れ星さんが番組の中で「Pride & Policy」と言っていて。自分だけじゃそういうキャラには育たなかっただろうなあ、と思いましたね。

—それはキャラクターの生みの親としてどういう気持ちなのでしょうか?

おべとも ちゃんと育ってねって、遠くから見守っている感じですね。(笑)

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—今後のおべともさん自身の展望があれば教えていただけますか?

おべとも 今回の話がとてもタイムリーだったんですけど、最近になってGIFアニメの楽しさに気が付きまして。今までもアニメーションを作るのは好きだったんですけど、でも、一作品一分間くらいの作品を作るのって大変で、頑張っても一週間に1本とかなんですよね。動画作品を自分のYouTubeに上げたりもしているんですけど、なかなか続けられなくって。
 そういうときにGIFアニメを知って、こういうやり方もあるんだなって。すごい短くても、面白いものを、見るに耐えられるものを作れる。「これだ!」とちょうど思ったところだったんですよね。

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—それはTwitterを通じてのお話ですか?

おべとも そうですね。ペロポンのGIFを上げた時に色んな方から反響を頂いて。
あとは、終わりのないループ作品を作るのも楽しいですし、画面もきりかわらないので、YouTubeよりも見てもらいやすいのも嬉しいですね。

—おべともさんにとってGIFはどういうものだと考えていますか?アニメーションとは別の捉え方をしているのでしょうか?

おべとも アニメーションを作るのは本当に気合を入れて踏ん張らないといけないので。それをもうちょっと気楽に取り組めるのがGIFアニメという感じですかね。

—今後もGIFの作品は作っていかれるのでしょうか?

おべとも 今までTwitterって「自分もなにか面白いことを言わなきゃ!」と思って、なかなかつぶやけていなかったんですよね。でも、一枚のGIFを載せた時に、「そっか、私は絵でやればよかったんだ」って気付いて。これからはTwitterでもGIFやイラストで作品を見ていただければと思っています。

—ありがとうございました。

「ペロポンパップポロンチョ」ってなに?

ppp ペロポン博士(声:瀧上伸一郎・流れ星)とパップくん(声:ちゅうえい・流れ星)が「ハッケン」を通して学ぶYoutubeチャンネル。「ペロポンパップポロンチョ」は子どもも大人もたのしめるハッケン番組だよ。チャンネル登録して、新しいハッケンを楽しもう!

ペロポン博士やパップ君にハッケンを教えてあげよう!

peropon_top GIFMAGAZINEでは、ペロポンパップポロンチョとコラボレーションして、簡単にTwitterやFacebook、LINEで君のハッケンを友達に教えてあげることができる「ハッケンメーカー」を公開中!ハッケンメーカーは、君が見つけたハッケンを文章や写真を使って可愛く、楽しく動くハッケン画像にするよ!ペロポン博士やパップ君にもハッケンを教えてあげよう!

Playkidz公式Facebook:https://www.facebook.com/PlaykidzJP
Playkidz公式Twitter:https://twitter.com/PlaykidzJP
ペロポンパップポロンチョ公式Twitter:https://twitter.com/PeroponPap
©Peropon Pap Poroncho Project

執筆:CREM編集部

クリエイター:obetomo(イラストレーター・アニメーション作家)

obetomo1979年東京生まれ。2004年スイスイ社入社。色彩と構成に強烈な個性をもち、独特の世界観を形づくる。デビュー作のアニメ「おべとも学園」はEテレで5年間にわたり放映され、全国の子どもたちに大人気に。

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