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【第3回】10年で2万個彫った対面はんこアーティスト・norioさんに聞いてみた  毎日ってどんな工夫で、もうちょっと幸せになりますか?

      2015/06/24

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誰もが1つは持っているであろう、名字や名前が彫られた「はんこ」。朱肉に達筆な書体もいいですが、もしも文字という情報以外であなたを表すとしたら、一体どんなはんこになるでしょう?はんこアーティストであるnorioさんは、オーダーメイドはんこの職人さん。40分という短い時間で、お客さんのイメージに合わせて図案を書き、名刺サイズのはんこを対面で彫り上げます。仕事、趣味、家族…さまざまなオーダーを彫り続けて、その数はなんと2万個に達するのではないか?とのこと。今回、はんこアーティストを始めて10年の節目を迎えるにあたって、これまでの道のりをお話頂きました。その中で感じたのは、norioさんご自身がとても幸せそうで、こちらまで幸せな気持ちになれること。どうすれば自分も相手も幸せに包まれるのか…長年に渡って対面にこだわってきたnorioさんだから見えてきた、幸せのひと工夫をお裾分けします。

(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)

クリエイター :norioはんこ

 
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1981年生まれ。京都精華大学にて日本画を学ぶ。2005年より雑貨店やカフェなどをベースに“その場でオーダーを受けはんこを制作する”というスタイルで活動を始める。

はんこのnorio:http://www.noriohanko.com/

【第3回】10年で2万個彫った対面はんこアーティスト・norioさんに聞いてみた 
毎日ってどんな工夫で、もうちょっと幸せになりますか?

8.お客さん目線の値段と素材が、ちょうどいい距離感を作ってくれますよ

 

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−−norioさんのはんこは、大中小のサイズに合わせてそれぞれ3千円前後この価格に決めたのは?

norioさん(以下敬称略)「難しかったー!自分が逆の立場で、このはんこをいくらで買うかを真剣に真剣に考えて。普通のアーティストさんだったら5千円とか1万円の人もいると思うけれど…自分は3千円くらいかなと思ったんです。」

−−ひとつ3千円だったら、何かの記念にオーダーしたいなって。気兼ねなく注文できる、リピーターにもなれる値段です。

norio自分も高い値段だと気構えてしまうし、ちょうどいい距離の値段だと思う。もし、もっと高かったら…だって1万円のはんこでしょ?デザインどうしよう?って自分もお客さんもお互いに悩むはず。」

−−自分もお客さんもいいなと思う値段が、お互いにちょうどいい距離感を作ってくれるんですね。出来上がったはんこは、その場で名刺サイズの紙にスタンプしてくれますね。この紙にもこだわりが?

norio「なんであれになったんだろう?(笑)。そういえば、最初からあれだったんです。いつもはんこを押している紙は、名刺サイズのケント紙。押しやすくて、名刺にも見えるし、カードにもなるんです。ぺらぺらだとすぐ無くしちゃうし、大きすぎると不便。ちょっと固さがあって、このくらいのサイズだと使いやすいなと思ってもらえるかなと。」

−−趣味を彫って自分の名刺に、屋号を彫ってショップカードに。幸せな2人を彫って、結婚式のテーブルにサンキューカードとして飾る方もいらっしゃるそう。いろいろな場面で、とっておきの1枚になりますね。

9.下手でごめんなさいという気持ちが、自分を追い詰めないでいてくれますよ

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−−norioさんが、美術の道を歩もうと決めたのはいつ頃ですか?

norio高校の時です。友達がみんな美術を目指す人だったから、周りの友達に引っ張られて。美術への、キラキラしたものへの憧れがあったんだと思います。それまでは、農学部に行くつもりだったんです。北海道とかの牧場で働ければいいなと。小さい頃、岡山で動物や植物と触れ合いながら生活していたので。」

−−それは大きな方向転換ですね。絵は昔から好きだった

norio小学校のとき、作品が賞を取ったんです。その時はめっちゃ調子に乗りました(笑)。でも、その記憶は高校まで封印されていて。友達が美術系になってから、一気に思い出した。志望校は、自然があったから京都精華大に行こうと思って、洋画は油絵のにおいがダメだったから日本画にしました。」

−−入るのが大変だと言われる美大ですが、合格までの道のりは?

norio「画塾に通ったのは、実質2・3ヶ月。入ったのが遅かったから、浪人を覚悟してって言われたんです。どうせ一浪するって分かってたから、すごい集中して絵を描いた。そうしたら、その年に入ることができたんです。短期間でタイミングよく周りに助けられて受かれたし、好きだと、上手だと思い込んだから入れた。そういうのって大事かもしれないです。」

−−集中して1つのことをやり続けられる力は、受験の時も発揮されていたんですね。大学時代を振り返って、今思うことは?

norio「いま大人になってみれば、絵の技術や上手く描けることは大事じゃないのかも。めっちゃ上手く描けると、それに縛られてしまって辞めてしまった人もいる。私ごめん、下手ですからって思っていたり、すいませんっていう申し訳ない気持ちでやっていると、それしかないっていう逃げ道のない辛さがない。」

−−自分を大きく見せない謙虚な気持ちが、プレッシャーに追い込まずに、好きなことを長続きさせてくれる。だから、norioさんを応援するファンの方が沢山いらっしゃるんでしょうね。

10.もし辞めたくなったとしても、他の人の力で続けることができますよ

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−−norioさんが影響を受けた人は?

norio秋野不矩さんという、おばあちゃんになってからインドの風景を書き続けた人。インドをはじめとする旅行に行くきっかけとなった方です。そして、学芸大にあるエムサイズというパン屋さんの、のりこさん。大先輩の女性で、いつ時も支えられて今まで続けて来れました。」

−−同性の先輩が支えてくれたり、一緒にお仕事をされるのが多いのはどうしてなのでしょう?

norio「多分、皆さんの若い頃に今の自分が似ているのかなと。クリエイティブな仕事に就いていて、自分の昔の状況と重なっているから、応援してくれたりするのかも。」

−−そうやって応援してもらえたら、辞めずに続けなくてはと自然に前向きになれそうです。

norioはんこが一番長く続いているんです。相方はめっちゃ気が長くて、自分に無いものを持っていて。もう辞める!ってなっても、いや待て待て、自分にははんこしかないだろう?となるんです。自分で続けよう思ってもなかなか難しい、でも人の力で続けることができると思うんです。」

−−その相方さんとは大学時代からのお付き合いで、今年ご結婚されたとのこと。おめでとうございます!それでは最後に、これからのnorioさんについて教えてください。

norio「今まで助けてくれた人、親とか相方とか…いままで迷惑をかけてきた人に返したいなと思います。はんこも対面の形式は続けていきたいです。いつもお客さんから元気をもらっていて、本当にありがたい。だから私も、何かの力になれたらいいなと。」

−−norioさんに彫ってもらって、幸せになった人、多くないですか?

norioこのはんこで開運!なんちゃって(笑)。」

全国各地で開かれるnorioはんこ店。来月、2015年07月11−12日は台湾でもワークショップを開催されるとのことです。詳細はnorioさんのホームページをご確認ください。norioさんと一緒にはんこを作れば、前向きな時を過ごしたくなる。今よりもうちょっとだけ、幸せな毎日が訪れることでしょう。

(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)

クリエイター :norioはんこ

 
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1981年生まれ。京都精華大学にて日本画を学ぶ。2005年より雑貨店やカフェなどをベースに“その場でオーダーを受けはんこを制作する”というスタイルで活動を始める。

はんこのnorio:http://www.noriohanko.com/

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