そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

【第1回】10年で2万個彫った対面はんこアーティスト・norioさんに聞いてみた  毎日ってどんな工夫で、もうちょっと幸せになりますか?

   

norio-head

誰もが1つは持っているであろう、名字や名前が彫られた「はんこ」。朱肉に達筆な書体もいいですが、もしも文字という情報以外であなたを表すとしたら、一体どんなはんこになるでしょう?はんこアーティストであるnorioさんは、オーダーメイドはんこの職人さん。40分という短い時間で、お客さんのイメージに合わせて図案を書き、名刺サイズのはんこを対面で彫り上げます。仕事、趣味、家族…さまざまなオーダーを彫り続けて、その数はなんと2万個に達するのではないか?とのこと。今回、はんこアーティストを始めて10年の節目を迎えるにあたって、これまでの道のりをお話頂きました。その中で感じたのは、norioさんご自身がとても幸せそうで、こちらまで幸せな気持ちになれること。どうすれば自分も相手も幸せに包まれるのか…長年に渡って対面にこだわってきたnorioさんだから見えてきた、幸せのひと工夫をお裾分けします。

(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)

クリエイター :norioはんこ

 
norio2

1981年生まれ。京都精華大学にて日本画を学ぶ。2005年より雑貨店やカフェなどをベースに“その場でオーダーを受けはんこを制作する”というスタイルで活動を始める。

はんこのnorio:http://www.noriohanko.com/

【第1回】10年で2万個彫った対面はんこアーティスト・norioさんに聞いてみた 
毎日ってどんな工夫で、もうちょっと幸せになりますか?

1.ポップなあだ名を付けると、賑やかな性格に変わりそうですよ

 

norio3

−−norioという屋号はどうやって決まったのでしょうか?

norioさん(以下、敬称略)芸人の西川のりおさんから来ているんですよ。私、名字が西川で、高校の時に友達がこのあだ名を付けてくれて。あだ名から人格が変わったというか、何かが吹っ切れた感じです。」

−−それまでは、今のような明るい、ワイワイした感じではなかった?

norio「幼稚園と小学校が岡山で、中学校と高校が大阪だったんです。中学校のとき、転校生だったからめっちゃ辛かった。でも、高校で付けてもらったnorioという響きで、自分ではない誰かになった感じになれて。このテンション高めなイントネーションの響きで、アホなこともできるようになった。岡山ではできなかった、弾けた自分も表現できるようになったんです。」

−−名前に性格を変えるくらいのパワーがあるとは!

norio「はんこを始めた時も迷わずこの名前に。はんこを彫る講座とか版画とかやったことないのに、思い切って始めちゃったんですよ。でも、norioという自分ではない別の私だから、できた。あだ名おすすめです!」

−−ちなみに、ローマ字にしたのは?

norioローマ字の小文字が一番オシャレちゃうか?ということでnorio はんこになりました(笑)。でも、屋号って大事ですよね。私の場合は、はんこ作家norioが発動しているときと、そうでないときがある。名前が2つあると、スイッチのオンオフが入れ替えやすいんです。」

−−自分の中のモードを変えられるスイッチとして、あだ名や屋号が機能するんですね。

2.無理していることを減らすと、好きなことが仕事になりそうですよ

norio5

−−大学を卒業してから、どんなお仕事をされていたんですか?

norioしばらくは絵を描いていました。生活道具やキッチン道具を知っていたら良いかもと思って、「私の部屋」という雑貨屋さんで店員もしていたり。でも、‘誰かが作ったものを売る私’、にすごく疑問を感じてしまって。お店も、そこで働いている人も、売っている物も大好きだったけれど、誰かが作ったものを心から愛せる、というわけじゃなかったんです。」

−−そこからアーティスト人生が開けていったわけですね。

norio「店員を辞める時に、店長が「何か協力できることがあれば」と声を掛けてくれて。初めは絵を飾ったりしていたのが、それが今のワークショップになったんです。人のものを買うより、自分が何かを作る時代になってきたのかな?と思います。」

−−絵からはんこになったきっかけは

norio「絵を展示する時に名刺を渡していて、それを自分の彫ったはんこで作っていました。ある時、「自分はこういうことをやっているんだけど、はんこ作ってくれない?」とお客さんからオーダーが来たんです。店長がやってみろって言ってくれて、始めたら何十人も並んで。その瞬間はほんと鳥肌が立って…それからこれまで続いています。自分からというよりは、周りに気づかされる感じでした。」

−−norioさんのように好きなことが仕事になるための、ひと工夫があれば教えてください。

norio「自分がちょっとでもやだなとか無理をしているなということに耳を澄ませて、それをやめることがいいのかなと。好きなことを見つけてやろうとするのは辛いので。何かやめたら、何かやらなくちゃって思うから。私の場合は、人のお店で働くとか、雇われているということをやめてみました。あとは自分の生活の中で嫌なこと…寝過ぎ、とかもやめました(笑)」

−−自分の中の‘嫌なことヒアリング’を続けて、だんだん好きなことに近づいてゆけたんですね。

3.自分が話すより相手に聞く方が、みんなが欲しいものができそうですよ

norio4

−−ご自身をどんなアーティストだと思いますか?

norio自分の好きなようにやって、といわれると困ってしまう。例えば、何かの絵を描いて下さいと言われたら…何のために?何をモチーフに?描いた絵をどうしてほしいんだろう?と思っちゃって。それは店員をやっていたからかも。」

−−自分の描いた絵を売る店員になったら、その絵がいい理由を説明しなくてはいけないですもんね。

norio「きらびやかなアーティストみたいに、自分の才能を「どうよー??」って見せられるわけでもないし…。でも、みんなが欲しいはんこを作っていたら、セールストークで悩まなくていいし、目的にも悩まなくていい。もっと自然に、みんなが欲しいものを作ることができると思って。」

−−みんなが欲しいものを作るために、心がけていることは?

norio「その人のはんこだから、その人がしゃべるべきだと思うんです。だから、自分はあんまりしゃべらないほうがいいかもしれないと思って。自分がしゃべるよりも、聞く方が大事。対面でやると、相手にしゃべってもらった方が色々聞けるんです。」

−−会場に来る人って、はんこ彫ってもらいたい半分、norioさんに身の上話を聞いてもらいたい半分な気がします。

norio「講演会とかあるじゃないですか?みんな話を聞きたいんじゃなくて、自分が話を聞いてもらいたいんじゃないかな?と思うんですよ。それと一緒かな、と。」

−−相手が主役になるから、満足してもらえるんですね。norioさんのはんこって、制作過程も全部丸見えで、しかもお客さんがどう思ったかがその場で分かるという…まさに究極の納品ですよね(笑)。

norio「なるほどー!ほんまやー!(笑)」

次回は、どうすればお客さんの求めるはんこを作ることができるのか?オリジナリティはどうやって生まれるのか?というクリエーターに大切な資質に迫ります。

(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)

クリエイター :norioはんこ

 
norio2

1981年生まれ。京都精華大学にて日本画を学ぶ。2005年より雑貨店やカフェなどをベースに“その場でオーダーを受けはんこを制作する”というスタイルで活動を始める。

はんこのnorio:http://www.noriohanko.com/

norio-food

 - 10年で2万個彫った対面はんこアーティスト・norioさんに聞いてみた  毎日ってどんな工夫で、もうちょっと幸せになりますか?  , norioはんこ, インタビュー, クリエイター , , , ,

crem fbpage header
(いいね!で最新記事を毎日受け取れるみたいですよ)

あなたの好奇心を刺激する
コラム、ビジュアルビュース、GIFマンガ、海外映像作品紹介記事を毎日配信

more