ありふれた日常の「音」を「音楽」へ。『RANCH BEATS』

2015/12/01 2015/12/02

※本連載ではご紹介する海外クリエイター様に許可を頂いて執筆をいたしております。

連載：海外映像作品の旅

本連載では、海外クリエイターの映像作品を中心にご紹介します。面白い作品から、不思議な作品、感動する作品をピックアップしGIFアニメーションを用いてご紹介します。クリエイターの創作哲学や作られた背景に触れる旅をご一緒しましょう。

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　ソファ、フェンス、鉄柵、レンガ、木の幹、植木鉢 etc…　この作品に登場する音はどれも私達が身近によく見かけるものから作り出されている。主旋律を奏でる音は木琴。実に素朴なものばかりだ。
　私達は日常生活において様々な音を耳にしているはずなのに、その音を「音楽」と捉えたことがある読者は少ないのではないだろうか。今作品はそんな「日常にひそむ音」を見事に「音楽」へと昇華させた作品である。

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　”自分の農場で散歩しているとき、身近なものが実はとても面白い音を奏でていることに気付いた”　Jarbas Agnelli氏は今作品を制作したきっかけについてそう語る。
　今作品をじっくり聞いてみると、たしかにそれぞれの素材がとても個性的な音を出していることがわかるだろう。また、「音の作り方」にもJarbas Agnelli氏はこだわっている。ただ叩くだけにしても、木のスティックで叩くのか、それとも手の平で叩くのか、はたまた手をグーにして殴るように叩くのか。同じものを鳴らしても、どの叩き方をするかによって当然だが音は変わってくる。そのほかにも様々に面白い方法で、各素材のもつ「個性的な音」を引き出しているようだ。

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　今作品が奏でる音楽はすべて身近な音から作られているせいか、聞いていて、とても落ち着いた気分になる。
　普段聞き流してしまいがちなありふれた生活音に、私達が今まで気付かなかった価値を見出させてくれる、そんな作品だ。曲の完成度が大変高いので、普通の音楽として聞いても楽しむことができる。ぜひ一度お聞きになってみてはどうだろうか？