そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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「作品のなかでは、助かって欲しい。」クリエイターを作品づくりに駆り立てるもの。『Out of breath』

      2015/08/06

「作品のなかでは、助かって欲しい。」クリエイターを作品づくりに駆り立てるもの。※本連載ではご紹介する海外クリエイター様に許可を頂いて執筆をいたしております。

連載:海外映像作品の旅

本連載では、海外クリエイターの映像作品を中心にご紹介します。面白い作品から、不思議な作品、感動する作品をピックアップしGIFアニメーションを用いてご紹介します。クリエイターの創作哲学や作られた背景に触れる旅をご一緒しましょう。


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 動画投稿サイトには、世界のクリエイターたちによって、日々たくさんの映像作品がアップされています。しかし、彼らを制作へと突き動かしている原動力とは、一体なんなのでしょう。お金?承認欲求?自己表現?
 作品づくりに至ったクリエイターの思いを探ってみるのも面白いかもしれません。


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 今回紹介するのは、Michael “Gimmick” Mac氏の『息を切らして』。ペーパードールの親子の一夜を描いたアニメーション映像です。大学4年生の青年が制作しました。
 人間たちが寝静まった深い夜、デスクの上には、2体の紙人形の姿がありました。肺ガンを患っている父とそれを見守る息子。荒い息づかいからも、どうやら今晩が峠のようです。息子はパソコンから肺をプリントし、移植することを決意します。望みを託し、全身の体重をかけてCtrlとPを押す息子ですが、画面には「Out of paper」の文字が……。
 絶対絶命のなか、息子は更なる決断をするのです。自分の肺を犠牲にして、父を助ける。父を想う強い気持ちのもと、息子は自身の身体を破き始めます。


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 息子の命を犠牲に父は助かります。
 感動の余韻のなか、エンドロールを眺めていると、気になる一文がありました。「In memory of my dad」のテロップ。
 ここからは想像になってしまうのですが、作者の父も肺ガンだったのではないでしょうか。そして、おそらく彼の父は助からなかった。父を助けることができなかったという作者の後悔、辛い経験が、この作品づくりに駆り立てたのです。せめて自分の作品のなかでは、父に生きていてほしい。
 父との思い出を昇華させた、とても尊い作品です。ぜひご覧ください。

『Out of breath』by Michael “Gimmick” Mac

【出典】https://vimeo.com/134352515
【Michael “Gimmick” Mac氏ホームページ】http://cargocollective.com/gimmick
執筆:CREM編集部(山岸泰佑)

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