天才バスケットボールプレイヤーの迷言を映像作品へ。『PRACTICE!』
※本連載ではご紹介する海外クリエイター様に許可を頂いて執筆をいたしております。
連載:海外映像作品の旅
本連載では、海外クリエイターの映像作品を中心にご紹介します。面白い作品から、不思議な作品、感動する作品をピックアップしGIFアニメーションを用いてご紹介します。クリエイターの創作哲学や作られた背景に触れる旅をご一緒しましょう。
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皆さんはAllen Iversonという人物をご存知だろうか。アメリカの元プロバスケットボールプレイヤーで、NBAにおいては2度のオールスターMVPを受賞。それ以外にも数多くの賞を受賞した、紛れもない”天才”である。そんな彼が2002年当時所属していたPhiladelphia 76ersが、プレーオフ1回戦で敗退した時のこと。PhiladelphiaのHCであったLarry Brownが、練習を怠りがちなAllenを批判すると、Allenは「たかが練習にそんなに力を入れるのはバカバカしい。いいかい、みんなが見てくれる実際の試合じゃなく、たかが練習なんだよ。」と語ったのだ。
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今回ご紹介する作品はFANTAVIOUS FRITZ氏による『PRACTICE!』。Allenが「練習に力を入れるのはバカバカしい」と語った、当時の音源をバックに、必死にバスケットボールの練習をする少年を映した作品だ。なんとも皮肉な対比であるが、作中に差し込まれたNBAの試合風景が、映画「Michael Jordan To The Max」からの引用である点がさらなる皮肉を描いている。というのもAllenとMichaelはかつて雌雄を決したライバルなのだ。撮影に35㎜フィルムカメラを使用することによって、氏はこの皮肉な対比を、どこか懐かしい偉大な作品に作り上げた。ネットもないゴールに向かってシュートを繰り返す少年の姿が印象的である。
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スポーツをしていた経験のある方ならお分かりだろうが、練習はとても大切だ。おそらく天才と呼ばれるプレイヤーも、人の目のない所で、必死に練習していたに違いない。驕らず努力を続けられることもまた天才なのだ。己を信じて、影で努力を怠らない人間にこそ、日の当たる場所へ出て行く機会が与えられるのだろう。
『PRACTICE!』by FANTAVIOUS FRITZ
【出典】https://vimeo.com/105580094
【FANTAVIOUS FRITZ氏 ホームページ】http://fantaviousfritz.com
執筆:CREM編集部(髙橋深)

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