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【第3回】人生に影響を与えた格闘ゲームとは?ドット絵作家ミゲルふとし特集インタビュー

      2014/11/21

【第3回】人生に影響を与えた格闘ゲームとは?ドット絵作家ミゲルふとし特集インタビュー

ミゲルふとし先生は、様々な格闘ゲームで躍動感あふれる動きに定評のあるプロのアニメーションドッター(ドット絵作家)です。領域はゲームだけにとどまらず、展示イベントやアパレルなどにも挑戦し、ドット絵業界を盛り上げています。華々しく活躍するミゲルふとし先生には、無職かつダメ人間時代があったといいます。本インタビューでは、3回に分けてミゲルふとし先生に先生自身のドッター人生についてお話いただきます。「ドッター人生」(ミゲルふとし先生インタビュー連載)
【第1回】作品に個性を宿らせるには?
【第2回】ダメ人間とTwitter。人生を変えた2つのキーワードとは?
【第3回】人生に影響を与えた格闘ゲームとは?

クリエイター:ミゲルふとし

ミゲルふとしさんのアイコン画像
アニメーションドッター。2008年頃からインターネット上でドット絵の作成活動を開始。2013年にて同人ゲームである東方心綺楼(上海アリス幻樂団/黄昏フロンティア)にてドット絵作家としてのデビューを飾り、トリリオンスターライツ(株式会社phatカンパニー)で商業作品デビュー、以降はブレイブフロンティア(株式会社エイリム)、クロスサマナー(株式会社ポケラボ)、勇者と1000の魔王(株式会社オレンジキューブ)などゲーム作品を中心にアパレル、フィギュア、webなど様々な分野でドット絵ならびにドット絵作家の活躍の幅を広げる為の活動を日夜続けている。

【インタビュー特集】第3回 人生に影響を与えた格闘ゲームとは?

ミゲルふとし 2014年 トリリオンスターライツ企画イベント用gifアニメ「トリリオンスターファイターズ」

ミゲルふとし 2014年 トリリオンスターライツ企画イベント用gifアニメ「トリリオンスターファイターズ」

ーー 第1回では、「作品に個性を宿らせるには?」と題し、ミゲルふとし先生がドット絵作家としての大切にされていることをお聞きしました。「プロセスの美学」「非効率さ」が重要なことであったと思います。第2回では、ミゲルふとし先生にドット絵作家になるまでの過程でどんな努力を続けて来たのかをお伺いしました。そこでは「ダメ人間」と「Twitter」がキーワードでした。

第3回はミゲルふとし先生がのドット絵作家になる上で影響を与えた格闘ゲーム作品についてや、今後の活動についてお伺いできればと思っています。

 

ミゲルふとし先生(以下、敬称省略)もう最終回ですか・・・適当な事ばかり抜かしてますが少しでも読んでくれてる人達のお役に立てれば嬉しいですね。

 

ーー 以前、ミゲルふとし先生が、ストリートファイター2に影響を受けたことをお聞きしました。格闘ゲームキャラを打ちたいたいという思いが創作の根源なのでしょうか?

 

ミゲルふとし 今思うとそれも根源の一つだったのかな、って考える事はあります。子供の頃からドット絵のゲームを楽しんできたんですよ。特にストリートファイター2には感動しましたね。ド派手なキャラがド派手に動く。やられモーションひとつとってもキャラごとに千差万別だったので幼いながらにこだわりを感じましたね。自分もいつかこんなキャラを作ってみたいなって気持ちはありました。

 

ーー ストリートファイター2以外ではどのような作品に影響を受けたのでしょうか。

 

ミゲルふとし もちろんファミコンのゲームのようにシンプルで親しみやすいドット絵も好きですが、やっぱり格ゲーですかね。スト2がリリースされてから今に至るまで僕はリュウばっか使ってるんですが、リュウのグラフィックを歴代順に見てみると格ゲードット絵文化の歩みや進化のようなものが感じ取れると思います。その中でもストリートファイター2、ストリートファイターZERO、ストリートファイター3のそれは作品ごとの良さを感じますね。

 

ーー そうなんですね。ミゲルふとし先生の感じる2、ZERO、3、それぞれのドットの良さとはどのようなことでしょうか?

 

ミゲルふとし これらはドット絵のサイズ自体はほとんど同じなのですが、制作技術の蓄積や時代性に合わせた変化、引くに引けなくなった意地とか色んな物が重なりあって多種多様な魅力が生まれているのです。

 

 

2は黎明期の作品であるが故に荒削りな所もあるのですが、そういう「隙」すらも魅力に変えてしまう懐の広さがありましたね。それでもやはり原点にして頂点とも言われる完成度の高さも兼ね備えてました。今見ても色褪せないし、だからこそ現代でも漫画作品などでパロディされるし、いまだに同じキャラが使われてシリーズが続いているんだと思います。複数の影色を使った塗りの表現も格闘家らしい「力強さ」を生んでいます。

 

 

その後のZEROシリーズのそれはある種工業製品的というか「量産品的な良さ」があります。的確なアニメーションパターン配置による「枚数に頼らず滑らかに動くアニメ」とアニメ塗りを意識した表現による見栄えの両立と作業時間の短縮が実現されています。

ただ、よく言われる所なんですが「アニメ塗りのドット絵は手抜き」ってのはちょっと間違いなんです。この作品のドットを拡大して見たり、一部作品に搭載されているカラーエディットを遊んでみれば分かるのですが本体の色と影色の間に中間色が設けられていたり一色に見える影色も実は数色使われていたりします。

慣れると従来の塗りより早く仕上げる事ができるのは事実ですが、この塗りで立体感を出す事は難しく、ドット絵に精通したスタッフの方だからこそできた時間短縮技術です。そういう意味でも非常に価値のあるものですしこの表現が以降のドット絵作品に与えた影響は大変大きく、価値のあるものだったなと考えています。

 

 
ゲームセンター【第3回】人生に影響を与えた格闘ゲームとは?ドット絵作家ミゲルふとし特集インタビュー

余談ですがこれに近い表現の作品としてヴァンパイアシリーズもオススメです。ストリートファイター以上に個性豊かなキャラクターが滑らかにアニメーションする気持ち良さは今見ても色褪せない「良さ」がありますね。このノリは近年の海外作品「スカルガールズ」にも受け継がれている事から国内外で長年愛されてきた事が分かります。

 

 

そして話は戻りますがⅢシリーズはドット絵格闘ゲームの一つの頂点ですよね。繊細かつ大胆なキャラクターアニメーションに水彩画のような質感の手間のかかった塗り表現。ゲーム全体の空気感も好きでした。何もここまでする事ないのでは・・・?というほどの作りこみを感じさせる作品ですが、それだからこそ今でも語り草になっているのだと思いますし、ここが僕の目標としているものの一つでもあります。

ZEROシリーズとは対のような作品ですが両者ともこれからドット絵という表現が歩む方向性として両立していくべきものだな、と。

 

 

 

長くなるので含めてませんが個人的にはこれらの系譜にあるCAPCOM VS. SNK 版のドットもZEROと3の中間のようなイメージで完成度が高いので、もっと評価されてもいいよね!?なんて思ってます(笑)

 

ミゲルふとし 2014年二次創作作品「メタビー」

ミゲルふとし 2014年 二次創作作品「メタビー」

ーー 第1回の時お話いただいた、ドット絵の「プロセスの美学」、「非効率さ」の魅力の部分はここから来ているんですね。

 

ミゲルふとし そうですね、非効率なことや誰もやらないことをするのが好きなんですよ。効率化されたものや、無駄なものや時間を省いていくより、こだわり抜いて、自分も周りも楽しませるような作品を作ることが大切です。2000年代のFlashアニメーターや、ニコニコ動画のMAD職人の方々も自分が楽しいこと、周りが楽しいことを全力でしている感じがあってとても尊敬しています。

 

ーー Flashアニメーターや、MAD職人の無償の愛ですか?

 

ミゲルふとし そうですね。もちろん無償の愛とは言っても、直接的な金銭でない形で見返りはあったのかもしれません。だけど、伊達や酔狂でやっているのではなく自分の好きなことで、本気で人を楽しませる姿勢を見た時に僕もこういう人間になりたいなって。

 

ーー 無職時代からの脱却は、金銭的な危機というよりも、作品への姿勢からだったということですか?

 

ミゲルふとし そこは受け身なんですよ、心綺楼の依頼が来てなんかすごい事になったから、これきっかけにすれば色んな所から依頼来るかなーとか思って、適当にメールアドレス晒したら色んな所から依頼がきてウワーッ!て(笑)びっくりですよ。

とは言ってもそれ以外にも商業・非商業関係なく他の方々の作るものに触発されたり、自らの未熟さを痛感して様々な経験をしなければならない、という使命感のようなものを抱いたことも事実です。こう考えるようになったのは間違いなく先ほど挙げたネット上で活動していた人たちのおかげですし、近年の日本のインターネットの大きなうねりに関してはとても感謝しています。

 

ーー 「日本のインターネットの大きなうねり」ですね、それに対して、ドット絵業界としての今後の大きなうねりはどうなっていくと考えていますか?

 

ミゲルふとし モバイルゲームや格闘ゲームの需要に対して、クリエイターが非常に少なくてだいぶ忙しくなってきていますね。だけど、ドッターもフリーで仕事をしている場合が多いので、クライアントとの交渉が上手でなくて、自転車操業的になってしまっている人も多いと思います。

アニメーションの仕事なので、どの依頼もだいぶ時間がかかってきます。自分の納得いくクオリティの作品に作りこむには、納期の交渉や、効率化の部分でテクニックが必要になると思います。その辺のノウハウをお持ちの方もいたり、いなかったりという感じですね。それでもやっぱり自転車操業的なやり方だと満足の行く作り込みはできないですね。

 

ーー 自転車操業的な状況を打開するにあたってどのようにするとよいでしょうか?

 

ミゲルふとし そうですね。どの業界でも同じことかもしれませんが、その依頼を引き受けたと公開できる仕事をするのは重要ですね。当然ではありますが、次の仕事への接続や、他の業界への仕事への広がりが生まれます。自分の好きな作品を作りたい、オリジナリティや作家性を突き詰めたいという人には特に重要だと思いますね。

 

ーー 名前を出すことによるブランドと作家性の認知が重要ということですね。ゲーム以外でドット絵が広がっている他の業界とはどういったところでしょうか。

 

ミゲルふとし ドッターという職業はその経緯上ゲームの仕事が大半になってしまうんですね。今まで頂いた仕事の中には、アパレルとかフィギュアなどの仕事もあったりします。

ドット絵という表現には可能性があると信じていますし、他の業界の方と積極的にお仕事して「ドット絵という表現方法でできる事」を増やしていきたいです。それで将来的に今よりもドット絵の良さが認知されてゲーム以外のあらゆる場所でドット絵を見かける世の中になれば僕のやってる事にも意味はあったのではないかな、と。

僕自身もドッターとしてゲーム以外でも表現の幅を広げたいと思ってますしね。もちろん格闘ゲームの仕事も募集してます(笑)。これのために仕事としてドット打ってる側面も強いので。

 

ミゲルふとし 2014年二次創作作品「女戦士」

ミゲルふとし 2014年二次創作作品「女戦士」

ーー ありがとうございました。最後にCreator’s MAGAZINEを読んでいただいている読者と、ドット絵作家を目指している皆様にメッセージを頂ければと思います。

 

ミゲルふとし がんばれ♥がんばれ♥

 

ーー (笑)。ミゲルふとし先生らしいお言葉ですが、もう少しお願いします(笑)。

 

ミゲルふとし そうですね、僕の作品を楽しみにして頂いている方々には最近大規模なものが作れなくて申し訳ないんですが、一応時間が無いなりにも一枚絵ドットやらゆるいGIFアニメなどを作ってますのでそちらを楽しみにしていただければな、と思っています。

 

次にドッターを目指す方に対してですが、今のドット絵業界はソーシャルゲーム等のおかげで依頼自体は多いのですがドッターの全体数が少なくどこも人手不足と聞いています。アニメーション作れる暇人はドッターになってあげてください。そのために僕なりにお手伝い出来る事はないかなーと色々画策中ですし、何かドット絵で聞きたいことがあったりしたら気軽にTwitterでリプライください。

 

あとは作りたいものを作る。まじめぶってないで、楽しいことを楽しくやっててもいいんじゃないのかと思います。好きなアニメ作品のキャラをドットにしてみたりするところから始めてもいいと思います。そういうものでツールの動かし方とか、綺麗に見せるためのルールみたいなものを体で覚えていって、それから真面目な絵の勉強とかしてみてももいいんじゃないのって、そういう考えです。

 

 

 

デビュー二年目の新人ドット絵おじさんなので適当なこと言うかもしれないですけど、作ったものに関していろんな人の意見に耳を傾けてみるのもいいことだと思います。自分が作ったものに関して誰かがどう思ってるかなんて滅多に聞ける事じゃないですからね。もちろん、周囲の意見や理想をすべて取り入れようとすると逆に息苦しくなるのでこの辺は取捨選択も大事なんですけどね。

 

 

あとはゆるく気楽に生きる事ができるのが一番楽しいです。その「ゆるく」いられる為の努力や仁義はそれなりに通して、そういう風に生きる為に頑張るぞ、という事ですかね。一緒に頑張りましょう。気楽さが度を過ぎると僕みたいなダメ人間になりますけどね(笑)

 

ーー ありがとうございました。これからもミゲルふとし先生の躍動的なGIFアニメ作品楽しみにしております。

 

ミゲルふとし またどこかのゲームや、ネットの隅っこでお会いしましょう。ミゲルふとしでした。

 

 

ツイートでコラボTシャツプレゼント

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Creator’s MAGAZINE創刊(2014年11月4日)とミゲルふとし先生のインタビュー連載を記念し、「ミゲルふとし×GIFMAGAZINEコラボTシャツ」を3名の方にプレゼントいたします。

コラボTシャツプレゼント応募方法

「11/4(火)【第1回】作品に個性を宿らせるには?「11/11(火)【第2回】ダメ人間とTwitter。人生を変えた2つのキーワードとは?」「11/18(火)【第3回】人生に影響を与えた格闘ゲームとは?」の記事を読んで、感想をツイートしてくださった方、抽選で各記事3名(合計9名)の方にコラボTシャツをプレゼントをいたします。ご連絡はGIFMAGAZINE公式Twitterアカウントからご連絡をいたしますので、よろしければ、@gifmagazineをフォローしていただけると幸いです。プレゼントの発送は12月中を予定しております。

【プレゼント内容】ミゲルふとし×GIFMAGAZINEコラボTシャツ
【方法】
「11/4(火)【第1回】作品に個性を宿らせるには?「11/11(火)【第2回】ダメ人間とTwitter。人生を変えた2つのキーワードとは?」「11/18(火)【第3回】人生に影響を与えた格闘ゲームとは?」の記事を読んで、各記事のツイートボタンから感想をツイートする。

【選考】各記事をツイートして下さった中から抽選で3名(合計9名)

【キャンペーン締切】2014年 11月23日(日)

【当選連絡の方法】@gifmagazine公式アカウントからメッセージをお送りいたします。

【プレゼント発送】2014年12月中を予定しております。
※写真はイメージです。実際とは異なる場合があります。

 

クリエイター:ミゲルふとし(@migelfutosi)

ミゲルふとしさんのアイコン画像

アニメーションドッター。2008年頃からインターネット上でドット絵の作成活動を開始。2013年にて同人ゲームである東方心綺楼(上海アリス幻樂団/黄昏フロンティア)にてドット絵作家としてのデビューを飾り、トリリオンスターライツ(株式会社phatカンパニー)で商業作品デビュー、以降はブレイブフロンティア(株式会社エイリム)、クロスサマナー(株式会社ポケラボ)、勇者と1000の魔王(株式会社オレンジキューブ)などゲーム作品を中心にアパレル、フィギュア、webなど様々な分野でドット絵ならびにドット絵作家の活躍の幅を広げる為の活動を日夜続けている。

【関連リンク】
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過去作品集:http://twitpic.com/photos/migelfutosi
過去作品集「ミゲルふとしのアレなソレ」:http://migelhososi.tumblr.com/
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