そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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【第4回】頼むのが嫌だから自分ひとりでやった。[井上涼x奥下和彦 人気クリエイター対談]

      2015/08/28

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 奥下和彦さんが自身の作品紹介記事の連載を開始するにあたって、学生時代からの師である井上涼さんと対談をしていただきました。学生当時の意外なエピソードから、作家性を育むまでの苦節、自身そしてお互いの作品への思いや、これからの制作に必要となってくることなど、このおふたりだからこそお聞きすることができたディープな内容となっております。クリエイター、あるいはそれを目指す方はもちろんのこと、おふたりのファンの方々にも作品をより楽しんで頂けるのではないでしょうか。全5回、ぜひお楽しみください。

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クリエイター:井上涼(写真左)

 「楽しみ」をテーマに映像、イラスト、漫画、パフォーマンスなど、様々な制作活動を行うアーティスト。作品制作の殆ど(作曲、作詞、歌、撮影、台詞、イラスト、編集など)を1人でこなし、現在NHK Eテレで、世界の「びじゅつ」を自作の歌とアニメで紹介する番組「びじゅチューン!」が放送中である。2005年には自身がゲイであることを作品を通してカミングアウトしており、「やる気あり美」のメンバーとして、世の中とLGBTとの接点を作るための活動も行っている。

赤ずきんと健康:http://www.youtube.com/watch?v=FI452L8bpkw
びじゅチューン!:http://www.nhk.or.jp/bijutsu/bijutune
やる気あり美:http://yaruki-arimi.com
ペネロペの星(ブログ):http://penerop963.exblog.jp
Twitter:http://twitter.com/kitsutsukijanai

クリエイター:奥下和彦(写真右)

金沢美術工芸大学視覚デザイン科、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻卒業。クリエイターズマネージメントFOGHORN所属。2009年に制作した「赤い糸」が数々のコンペに入賞し、世界最大のデジタルフィルムフェスティバル「RESFest」のファウンダーJonathan WellsのキュレーションによりTED2010 Long Beach他でも同作品が上映されネット上の話題をさらう。更に2011年よりTV朝日の「報道ステーション」のオープニング映像を担当しグッドデザイン賞を受賞。以後多くのTV-CM、MUSIC VIDEO、イラストレーション、絵画の展示販売、そしてライブペインティングを手掛け、現在に至る。

公式サイト:http://okushitakazuhiko.com
ブログ:http://okushita-blog.tumblr.com
Twitter:http://twitter.com/kazzroad01

失敗とターニングポイントはありましたか?

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奥下 僕は、さっきの英語をちゃんと勉強しておけばよかった、ってのが失敗ですかね。

井上 え、いつのときに?

奥下 うーん、高校ですかね。結構興味はあったんですけど、ただ、実践するところがなかったので…

井上 ふふふ笑 

奥下 なんですか?笑

井上 ごめんごめん笑 あの、当時の奥下のアドレスが「kazu eat world」だったんですよ!笑

奥下 あはは笑 よくそんなこと覚えてますね!笑

井上 そういうのが奥下の英語への興味の表れだったのかなあ、って笑

奥下 そうっすね、恥ずかしいっす。笑 なんでそんなこと覚えてるんすか!?笑

井上 なんでかすごい覚えてるねんて!笑

奥下 井上さんは、なにか失敗とかあります?

井上 失敗かあ…。 「失敗だ!」ってなることってそんなにないですね。英語はわたしも確かに失敗だったかもしれないですけど。

奥下 まあでも英語は、いまからやれば多少は、いいんですかねえ…?

井上 うーん、そうだねえ。
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奥下 あとはターニングポイントは井上さんどこでしたか?

井上 アーティスト生活で考えると、やっぱ『赤ずきんと健康』ですかねえ。ニコニコ動画とかで盛り上がって、そこから広がっていったと思うので。あとは、びじゅチューン!が始まったのもそうですし。全部つながっているとは思うんですけど。でも、一番は赤ずきんですね。あと、奥下くんがいいって言ってくれたゲイの歌ってのも大きかったかもしれないです。その人が何が好きで何が嫌いかっていうのって、作品に如実に現れてくると思うんですけど、自分がゲイだってカミングアウトする前は本当に好きなもの、たとえばビヨンセが好きだとか、安室ちゃんが好きだとか、そういうものを隠しながら制作をしていたので。本来の制作、作りたいものがいまいち作れなかったってのがあったんですけど、それをカミングアウトすると、安室ちゃん大好き、だとかそういうのが作品に現れるようになったので、それももうひとつ、ターニングポイントでしたね。

奥下 ぼくも学校の映像課題で、ゴキブリと戦う映像を作って、周りが結構「おおー!」って言ってくれたあとに、卒業制作で「赤い糸」を作って、それが報道ステーションのOPに使って頂けて。その2作品が大きかったですかね。

奥下 僕はあんまり色に興味がなかったので、クロッキー帳に線画ばっかり書いていたんですよね。それがきっと今に至った原因ですかね。それで、卒業制作では自分の色んな物を結集させて、

井上 結集?

奥下 線画と、あとは当時彼女が大好きで、失恋して、って時だったんで…

井上 またでた!笑

奥下 僕だってこれあんまり言いたくないんですよ!笑 で、その恋愛の話を入れたりだとか、当時の色んな思いをぎゅって結集させてたのが「赤い糸」だったんです。アレがなかったら今どうなっていたんだろうって時々思いますね。あれはターニングポイントでしたね。

井上 わたしは「ひとに頼むのが嫌だから自分ひとりでやる」っていう消極的な考えがあって今に至るってのが大きいとは思いますけどね。それがいいのか悪いのかっていうのは別として、一人で全部やるっていうスタイルに事実至っているので。それが今の仕事を支えているかもしれないです。笑

奥下 全て自分でやるって、最上級のオリジナルですよね。「これは井上さんにしか出来ねえ!」って感じがすごくします!笑

生まれ変わっても今の人生を歩みたい?

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井上 わたし、コックとかになってたいですね。

奥下 美味しいものが作りたいんですか?笑

井上 作って、サッと出して、お客さんわーい、みたいなわかりやすいのがいいです。今もわかりやすいっちゃわかりやすいんですけど、入り組みすぎた制作になってしまっているので。もっと素早く、ぐあー!って出して、終了!っていうのがいいですね。笑 奥下はなんかある?

奥下 ぼくは作曲をやりたかったですね。 MVが好きなのはなんでだ?って考えた時に、もちろん映像も好きなんですけど、本当は音楽が好きだったからなんじゃないかなって最近思い始めて。作曲家の人とかにもすごいバイアスかかりますね。ものすごく魅力的に見えて。

井上 そうなんだ。どこが魅力的?

奥下 音楽を聞いた時に、圧倒される感じだとか。

井上 映像よりも音楽で圧倒される事のほうが強いってこと?

奥下 やや強いっすね。笑 感覚的なことかも知れないですけど、音楽をやっている人とすごい話があったりだとか。ずっと憧れはありましたね。

井上 へえー。作るならどんな音楽?

奥下 僕は、クラブにずっと行ってたんで、今趣味で作ってるのはダンスミュージックとかばっかりですね。

井上 そういう作曲家になりたいの?

奥下 そうですねえ、憧れますねえ。

――第5回に続く

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クリエイター:井上涼(写真左)

 「楽しみ」をテーマに映像、イラスト、漫画、パフォーマンスなど、様々な制作活動を行うアーティスト。作品制作の殆ど(作曲、作詞、歌、撮影、台詞、イラスト、編集など)を1人でこなし、現在NHK Eテレで、世界の「びじゅつ」を自作の歌とアニメで紹介する番組「びじゅチューン!」が放送中である。2005年には自身がゲイであることを作品を通してカミングアウトしており、「やる気あり美」のメンバーとして、世の中とLGBTとの接点を作るための活動も行っている。

赤ずきんと健康:http://www.youtube.com/watch?v=FI452L8bpkw
びじゅチューン!:http://www.nhk.or.jp/bijutsu/bijutune
やる気あり美:http://yaruki-arimi.com
ペネロペの星(ブログ):http://penerop963.exblog.jp
Twitter:http://twitter.com/kitsutsukijanai

クリエイター:奥下和彦(写真右)

 金沢美術工芸大学視覚デザイン科、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻卒業。クリエイターズマネージメントFOGHORN所属。2009年に制作した「赤い糸」が数々のコンペに入賞し、世界最大のデジタルフィルムフェスティバル「RESFest」のファウンダーJonathan WellsのキュレーションによりTED2010 Long Beach他でも同作品が上映されネット上の話題をさらう。更に2011年よりTV朝日の「報道ステーション」のオープニング映像を担当しグッドデザイン賞を受賞。以後多くのTV-CM、MUSIC VIDEO、イラストレーション、絵画の展示販売、そしてライブペインティングを手掛け、現在に至る。

公式サイト:http://okushitakazuhiko.com
ブログ:http://okushita-blog.tumblr.com
Twitter:http://twitter.com/kazzroad01

(執筆:CREM編集部 篠宮航太)

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