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【第2回】「徹底的あまのじゃく精神。」ひらのりょうの生い立ちとは?インタビュー特集

   

【第2回】「徹底的あまのじゃく精神。」ひらのりょうの生い立ちとは?インタビュー特集

ひらのりょうさんは、第15回文化庁メディア芸術祭で「Hietsuki Bushi」でエンターテインメイント部門 新人賞を受賞、先日開催された、新千歳空港国際アニメーション映画祭2014では、「パラダイス」が国内グランプリを受賞するなど、独特の世界観とタッチで描く注目のアニメーション作家です。Creator’s MAGAZINEにてGIF漫画の連載を記念し、本インタビューでは、2回に分けてひらのりょうさんの現在の作風に至った背景や創作の哲学、幼少期からの生い立ちについてお話いただきます。(撮影:吉川卓志 執筆:Creator’s MAGAZINE編集部)

【第1回】「教育されてきたベタから開放されること」とは?
【第2回】「徹底的あまのじゃく精神。」ひらのりょうの生い立ちとは?

クリエイター:ひらのりょう

ひらのりょうさんのプロフィール画像

1988年埼玉県春日部市生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業。クリエイターズ マネージメントFOGHORN所属。
産み出す作品はポップでディープでビザール。文化人類学やフォークロアからサブカルチャーまで、自らの貪欲な触覚の導くままにモチーフを定め作品化を続ける。その発表形態もアニメーション、イラスト、マンガ、紙芝居、VJ,音楽、と多岐に渡り周囲を混乱させるが、その視点は常に身近な生活に根ざしており、ロマンスや人外の者が好物。

【インタビュー特集】「徹底的あまのじゃく精神。」ひらのりょうの生い立ちとは?

Omodaka/ひらのりょう ©2011年 「Hietsukibushi」ミュージックビデオ

Omodaka/ひらのりょう ©2011年 「Hietsukibushi」ミュージックビデオ

ーー 小さいころはどんな子供でしたか。

 

ひらのりょうさん(以下、敬称省略)ずっと絵を描いてましたね。あとはウゴウゴルーガをずっと見てるような子でした。性格だと、流行りものが大っ嫌いで、本当にひねくれてる子供でした。

 

ーー ひねくれてる子供だったのですね。何かエピソードはありますか。

 

ひらのりょう 当時はポケモンを周りのみんなはやってましたね、でも人と一緒なのが嫌で、興味はあったけどやろうとは思いませんでしたね。人と違うことがよりどころで、もしかしたらかっこいいと思ってたんだと思います。流行りがすたれてから手を出して面白さに気付くことがよくありました。

 

【第2回】「徹底的あまのじゃく精神。」ひらのりょうの生い立ちとは?インタビュー特集

ーー 子供の頃だと、前の日に見たTV番組だったり、流行っているゲームの話で盛り上がるということが普通でしたね。かなり尖った子供時代だったのでしょうか。

 

ひらのりょう そうですね、ひねくれ者ですね。学校でも数人の友達としか話題にならない、朝4時くらいにやっているアニメ作品とか、再放送にはまっていました。当時初めてはまったアニメがヤッターマンとリボンの騎士でした。

 

ーー その後中学校、高校と、どのように過ごされたのですか。

 

ひらのりょう みんなと同じは嫌な性格はずっと続いていたと思います。中学校の時は、美術部でパソコンで絵を描いてたりしましたね。バンドをしたり、ギターをしたりもしてました。高校の時はニュージーランドに留学をさせてもらいました、2年生の夏から、3年生で卒業するまでですね。

 

ひらのりょう/FOGHORN ©2014年 「PARADISE」

ひらのりょう/FOGHORN ©2014年 「PARADISE」

ーー ニュージーランドに留学をされたのですね。それはどういったことからなのでしょうか。

 

ひらのりょう あまのじゃく精神があって、みんなと違う10代を送りたいって思ってました。そこでもやっぱりひねくれていて、このまま高校生活送っていたら普通になってしまうから「やばい」と当時の僕は思ったんですね。英語はしゃべれないけど、何とかなると思いましたし、実際行ってみれば多少は成長するだろうと。テスト勉強が大変でしたし、進学校の意味も分からず入った高校が試験勉強ばかりだったので、逃れようとしていたところもあると思います。ただ病的に人と違っていたいと思ってました。

 

ーー 留学にいくことも人と違うことへのこだわりがあったのですね。強いあまのじゃく精神を感じますね。

 

ひらのりょう 留学してニュージーランドで生活したことはいいことでした。第1回で話したことにつながりますが、「刷り込まれた文法」や「教育されてきたベタ」みたいなものってそれぞれの国だったり、言語だったり、コミュニティだったり世代だったり存在すると思います。ニュージーランドに行くことによって自分自身のそれが急速に壊されるのを感じました。小さな例でいくと、ニュージーランドの人って雨が降ってても、傘をあまりささないんです。それは聞くところによると「ダサい」かららしいのです。彼らの中での「刷り込まれた文法」や「教育されてきたベタ」ではダサいものになっていて、自分にとって当たり前だった価値観がひたすら壊されていきました。

 

ーー 当時から地域や、言語による、「刷り込まれた文法」や「教育されてきたベタ」の違いを意識されていたのですね。

 

ひらのりょう そうですね。そして、川でイカダを作ったりして遊んでいたら高校が終わったという感じです(笑)。

 

【第1回】「教育されてきたベタから開放されること」とは?ひらのりょうインタビュー特集

ーー 美大を受けようと思ったのは高校の頃だったのでしょうか。

 

ひらのりょう 実は、普通の大学を受けようとも思ってたんです。だけどペーパーの試験で受かる気がしなかった。ARTの授業でデッサンと英語の勉強はしていた。それで、いろんな芸術作品とか、映像作品とか知らないまま、右も左もわからない状態で美大に進学しました。

 

ーー 美大では具体的にどんなことを意識して過ごされてたのですか。

 

ひらのりょう 「おすすめされた作品は全部見る」これは徹底してました。本当に劣等感を感じてましたし「物を知らないコンプレックス」が常にあって生活してました。ジャンルを問わず、食わず嫌いせず、舞台も見ましたし、小説も漫画も何から何まで買いました。何よりすべてが面白かった…。そこにお金を惜しまないようにしました。何にも知らなかったんだなってのを多くの作品から自覚しました。美大は個性のある人が多かったので人と違っていたい病も、逆に人と同じでいたいという思いに変わっていきました。

 

ーー 逆に人と同じでいたいとい思いが生まれてくるのですね。今まで触れてきた作品の中から、ひらのりょうさんがおすすめする作品がありましたら教えていただけますか。

 

ひらのりょう ロロ(※)の舞台、演劇はおすすめです。彼らの舞台は一見色んなポップカルチャーを取り入れて若々しいように見えるんです。だけど、見ている内に気付くとスゴく深い部分にまで突き刺さるような物語が展開されている。観客を入りこませる部分でのポップさ、かわいさと物語の美しさがとにかくツボで大好きです。

(※)ロロ 小説のリーディングや音楽ライブと融合した短編演劇、映画製作なども行ない、ジャンル横断で演劇の枠を拡張しながら活動している。 三浦直之(主宰・脚本。演出)、板橋駿谷、亀島一徳、篠崎大悟、望月綾乃、森本華(以上俳優)、玉利樹貴(えかき)、坂本もも(制作)の8名。 漫画・アニメ・小説・音楽・映画などジャンルを越えたカルチャーをパッチワークのように紡ぎ合わせ、様々な「出会い」の瞬間を物語化する。 【出典】ロロ公式サイトより

 

 

Omodaka/ひらのりょう ©2011年 「Hietsukibushi」ミュージックビデオ

Omodaka/ひらのりょう ©2011年 「Hietsukibushi」ミュージックビデオ

ーー はじめてのプロの仕事はどんなものだったのでしょうか。

 

ひらのりょう 初めての仕事は、ひえつき節のミュージックビデオでした。omodakaさんからは、完成までチェックが入らず、とにかく自由に作らせて頂きました。かなり苦労しましたが多くの時間をもらえたので納得できるまで一生懸命作りました。その後、文化庁メディア芸術祭でエンターテインメント部門の新人賞を頂くことができました。

 

ーー ひらのりょうさんが考える、世界観・オリジナリティを見つける方法があれば教えてください。

 

ひらのりょう これが自分のオリジナルなんだって思える作品はそう簡単に出てこないと思います。手法としてのアイディアなのか、解釈なのか、見た目のオリジナリティなのかいろんな事に目を向ける中で見つかるかもしれません。だけど、僕が大切にして、個人的に追求していきたいと思うのは、感動したそのプロセスです。「どうして感動したんだろう」と考えることですね。それは絶対突拍子もないものではないんです。きちんと理由があって成り立っている。そこに目を向けることはこれからも大切にしたいことです。

 

ーー 感動したプロセスを探る。ですか。

 

ひらのりょう そうですね。とにかく何度もみて考えます。それはとても楽しいことです。 自分の世界観や作家性を作り上げて、それで戦っていきたいなら、自身の背景、環境を含む歴史も探求したらいいと思います。僕は、自分の考えていることは多くの人も同じように考えていると思っています。ところがいざそれを提示すると他人の考えとのズレはどうしても出てしまいます。そのズレは、もしかしたしたらそういった自身の背景に由来するのかもしれない。そこに意識してみることがオリジナリティといわれるものに繋がるのかもしれないです。

 

【第2回】「徹底的あまのじゃく精神。」ひらのりょうの生い立ちとは?インタビュー特集

ーー 今後の活動の展望を教えていただけますか?

 

ひらのりょう 舞台のお仕事をさせてもらったり、こちらのCreator’s MAGAZINEではGIFマンガの連載が始まったりと今後も作品を作り続けていきます。とくにジャンルとかは意識せず、自分の納得できる作品に育てていくつもりです。オリジナルのアニメーション作品は作り続けたいです。

 

ーー それでは最後にアニメーターを目指す方へのメッセージをお願いいたします。

 

ひらのりょう これは個人的にアニメーション上達のためにやりたいと思っていることなのですが 武道なんてどうでしょうか。アニメーションを作る時は「動き」の作り込みが重要です。以前カンフー映画に憧れて何故かキックボクシングをやっていたんですが、とにかく自身の筋肉の動きに自覚的になる必要があるので勉強になります。どんな角度でどういう風に体が動いていくかを理解するのには体を動かすのが近道だと思います。是非、ダンスとかでもが良いかもしれません。
もう一つが「作りたいものを作れ。」ということですね。まずは理論を勉強してからとか、経験が足りないからと思わずに、何かつくってみてから色々考えてみたほうがいいと思います。未熟さを認めろとか、謙虚でいろということではなく、貪欲に、自分の好きなものに向かうエネルギーが込められた作品は結局みてるとここちいいんですよね。そんな作品を僕はこれからも作っていきますし、これから作家になる方も一緒に作っていければと思います。

 

 

ひらのりょう ©2011年 「ホリデイ」

ひらのりょう ©2011年 「ホリデイ」

ーー 「あまのじゃく精神」から始まり留学を経て、「物を知らないコンプレックス」が多くの作品に触れる源泉となったと話すひらのりょうさん。単純な手法をまねるのではなく、感動したプロセスを探求することが作家性の近道なのかもしれません。ひらのりょうさんにはCreator’s MAGAZINEでGIF漫画の連載を予定しています。ご期待ください。

撮影:吉川卓志 執筆:Creator’s MAGAZINE編集部

 

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ひらのりょうさんインタビュー&GIF漫画連載を記念し、「ひらのりょう×GIFMAGAZINEコラボTシャツ」を3名の方にプレゼントいたします。

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「12/11(木)【第1回】「教育されてきたベタから開放されること」とは?」「12/18(木)【第2回】「徹底的あまのじゃく精神。」ひらのりょうの生い立ちとは?」の記事を読んで、感想をツイートしてくださった方、抽選で各記事3名(合計6名)の方にコラボTシャツをプレゼントをいたします。ご連絡はGIFMAGAZINE公式Twitterアカウントからご連絡をいたしますので、よろしければ、@gifmagazineをフォローしていただけると幸いです。プレゼントの発送は12月中を予定しております。

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【選考】各記事をツイートして下さった中から抽選で3名(合計6名)

【キャンペーン締切】2014年 12月24日(水)

【当選連絡の方法】@gifmagazine公式アカウントからメッセージをお送りいたします。

【プレゼント発送】2014年1月中を予定しております。
※写真はイメージです。実際とは異なる場合があります。

 

クリエイター:ひらのりょう(@hira_ryo)

ひらのりょうさんのプロフィール画像

1988年埼玉県春日部市生まれ。多摩美術大学情報デザイン学科卒業。クリエイターズ マネージメントFOGHORN所属。
産み出す作品はポップでディープでビザール。文化人類学やフォークロアからサブカルチャーまで、自らの貪欲な触覚の導くままにモチーフを定め作品化を続ける。その発表形態もアニメーション、イラスト、マンガ、紙芝居、VJ,音楽、と多岐に渡り周囲を混乱させるが、その視点は常に身近な生活に根ざしており、ロマンスや人外の者が好物。

【関連リンク】
ひらのりょう公式サイト:http://ryohirano.com/

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