第1回Fujiyoshi Brother’sから学ぶ 毎日がもっと楽しくなる10のレッスン【ココロをコドモに戻してくれる絵画アーティスト 】
(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)
クリエーター :Fujiyoshi Brother’s(フジヨシブラザーズ)
2000年に藤芳太一郎(兄)と藤芳幸太郎(弟)により結成されたアートユニット。
鮮烈な色彩とダイナミックなタッチで、すべての作品を合作で制作し、ライブペインティングや映画・舞台美術などの様々な分野でも活動している。また保育園や小学校などの特別講師として、アートの楽しさを広く伝え続けている。
【第1回】 1:自然に触れよう 2:上手くやろうとしない 3:サクライズに行こう
1:自然に触れよう
おふたりのご出身は熊本−豊かな大自然の中での幼少期が、今の作品に繋がっていらっしゃるとのこと。
「子供のころは山や川で遊んで、暗くなったら帰ってくるという生活を送っていました。チャンバラやったり木の実を採ったり、秘密基地を作ったり。」
便利で現代的な都会とは対照的ですが、ゲームなどの娯楽が無く外で遊ぶ生活がとても楽しかったそうです。そこで得た色彩感覚が、作品に大きな影響を与えています。
「どんぐりの艶、山ぶどうの深い紫だったりとか、川の反射の感じが作品には出ていますね。」
「山の中の木漏れ日のキラキラした感じ、野いちごや花であったりする自然の色彩が作品に反映されているのかも。」
鮮やかで生命を感じる作品のルーツは、幼き日に感動を覚えた自然の色。金色やラメを使っていらっしゃるのも、太陽の光の残像から来ているのかもしれません。
「新芽でも緑の葉っぱは艶やかで。生命力というか、潤いや艶のあるものだったり…それが残るように作るのは好きですね。そこに感動を覚えていましたから。」
「なんでこんなにつるつるしているんだろう、このどんぐりは!とか。さらに洋服とかで磨くと、もっとつるつるになりますしね(笑)」
りんごもどちらがつやつやにできるか、ずーっと食べずに磨いて競争していらっしゃったという藤芳兄弟。たとえ幼少期を都会で過ごしたとしても、大人になった今、あらためて自然に触れることで日々を楽しむ心のゆとりを持つことができるはず。さあ、春のエネルギーで毎日を楽しむ力を充電しましょう!

2:上手くやろうとしない
小学校などで図工の特別講師を勤めるおふたり。体育館やグラウンドを使って、生徒たちに“僕らのアイランド”をみんなで描いてもらう授業を展開されていらっしゃいます。
「最初のきっかけとしてそのテーマがある感じで。地域の町並みや好きなものを描いていいよと始めるのですが…みんな絵の具を塗ること自体に喜びを得ているので。手足を使ったり、転がったりしながらそれを楽しんでもらえればなと。」
最終的にはみんなの遊び場になるFujiyoshi Brother’sの特別授業。でも、絵を描くのが苦手だったり自信が持てなかったら、どのようにすれば楽しめるのでしょうか?
「苦手意識のある子は、上手に描けないと思ってしまっている。上手く描こう、上手に描かなければいけないという考えを外す。上手く描かなくていいんだという意識でやれば、おのずと上手になっていきます。」
歳を重ねるにつれて、上手くやろう、失敗しないようにしようと、なんでもきちんとできる自分を見せようとしてしまうのかもしれません。それが親になった時に、自然と子供に伝わってしまっているのかも…。
「大人たちや親たちが、上手く描かなきゃダメだっていう固定観念をまず捨てること。上手に描こうとすると誰も描けないので。」
あるものを正しく、その通りに描くことだけが正解ではないと心で分かれば、気持ちがすっと軽くなるような気がします。
「デッサンの上手さとかを求めるのではなくて、例えば色味だったりするその人の良さを褒めてあげる方が良いのではないかなと思うんです。」
大人のみなさん、少し力を抜いて…年度始めのお仕事は、上手くできることより楽しむことに重きを置いてみませんか?

3:サクライズに行こう
二子玉川駅に直結する、水と緑と光の豊かな自然環境と調和した街、二子玉川ライズ。こちらでは今年で4回目となる「サクライズ2015」が行われています。おふたりが3月下旬にライブペイントを行い、ガレリアを“サクライズ・ガーデン”へ変身させて、二子玉川に一足早い春を届けてくれました。
「テーマは春のワンダーランド!みんなで華やかに楽しげにしてもらえるような場を作りました。」

桜のペイントに加えて、みんなで遊べる迷路を作ってみたり、コンテナに作品を展示してギャラリーにしたりと色々な企画が行われてきたサクライズ。今年は、色とりどりのお花や模様が描かれた小川の上に、ポップでカラフルな遊歩道が掛かります。
「たくさんの子供が走り回ってくれていますね。遊歩道を渡るのではなく、その下をくぐる子がいっぱいいたのは僕らもびっくりです。」
会場を訪れた人が参加できるワークショップも開催され、自分がデザインした桜のかざぐるまが飾られるイベントも行われました。
「桜の色をしたかざぐるまを1000個ほど、ワイヤーを通して設置してきました。風でくるくると回るのが、桜の花びらが舞うように見えるんです。」
ライブペイントの最後に完成した壁画には、キャンバス一面に羽を広げるピンクのクジャクが描かれました。求愛するときに大きく羽を広げることから、たくさんの愛が生まれる場所になってほしいとの願いが込められているそうです。

「描いているところを見て、どういうふうに描いているのかを楽しんでもらえる。こうやって描いているんだ!という驚きと感動を与えたいなと。」
アトリエでの緻密な制作とは違って、ライブでは一筆一筆がパフォーマンスとなることを意識されているとのこと。もちろん、描いているおふたりに話しかけるのも大歓迎。
「会場にお子さんがいれば好きな色を聞いて、その色を使ってお花や虹を描いてあげようとか。来る人によって作品を変化させて、作り上げてゆく感じです。」
家族でお買い物をした後の休憩に、恋人や友人との待ち合わせに、サクライズ2015は4月12日(日)までの開催です。週末のお出かけに、楽しさのシャワーをめいっぱい浴びることができますよ!
サクライズ:http://www.rise.sc/event/?id=5027
(執筆:CREM編集部 丸山亜由美)
クリエーター :Fujiyoshi Brother’s(フジヨシブラザーズ)
2000年に藤芳太一郎(兄)と藤芳幸太郎(弟)により結成されたアートユニット。
鮮烈な色彩とダイナミックなタッチで、すべての作品を合作で制作し、ライブペインティングや映画・舞台美術などの様々な分野でも活動している。
また保育園や小学校などの特別講師として、アートの楽しさを広く伝え続けている。