そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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今、美大生が会いたい 僕らの師匠【映像作家/アートディレクター・清水 貴栄】

      2016/02/25

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現役美大生が「いま会いたい、僕らの師匠」と直球で対談する、最高にクールなクリエーターズ・インタビュー。今回ご登場いただいたのは、DRAWING AND MANUALのディレクター・映像作家の清水貴栄さんです。

(企画・編集:丸山亜由美、執筆:伊川真以、インタビュー:軍司拓実)

清水貴栄:映像作家/アートディレクター

 
1987年長野県松本市生まれ。 武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、DRAWING AND MANUALに参加。コラージュから生まれる独自な世界観で、映像からグラフィック、プロダクトまで演出する。アーティストのミュージックビデオやアートワーク、企業のコンセプトムービーから教育テレビまで、幅広く制作。2011年銀座にて個展を開催、全国各地でワークショップを開催するなど、作家としての活動も行っている。
TAKAHARU SHIMIZU WORKS: http://www.shimizutakaharu.com/

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――なぜ映像の道を目指そうと思ったんですか。

映像を目指そうと思ったのは、僕が美大にグラフィックデザインで入学して、1・2年後ぐらいに周りの人が映像を作ろうと言っていた風潮があったからですかね。あと映像を制作するという講義を受けてコマ撮りの映像を作ったこともきっかけでした。

――大学時代は、具体的にどういうことをしていましたか。

芸術祭のイベントで、プロジェクションを当てて色を塗って、映像を動かすライブペイントをやりました。あと3年生の時に個展で人の頭が吹っ飛ぶシュールなアニメーションを手書きで作ったりしました(笑)。基本的には実写より、アニメーションを主に制作してましたね。でも、もちろんグラフィックも両方やってましたよ。

――清水さんが他に影響を受けた映像、人、モノ、出来事などはありましたか。

僕が影響を受けた作品は、ケミカルブラザーズの「Star Guitar」っていうMVです。このMVはアニメーションじゃなくて実写なんだけど、日常が映像作品になっていて初めて見た時にすごく新鮮で衝撃的でした。母校の武蔵野美術大学の基礎デザイン学科の「価値を再発掘する」という思想に通ずるものもあり、映像の可能性を見つけることができた気がします。

――母校である武蔵野美術大学の基礎デザイン学科で学んだことは、今の映像制作に活かされていますか。

結構活かされてますよ。アイデアを出す時は、大学で学んだアイデアの出し方を使ってます。例えば、連想ゲームのようにあるものが持つ無意識に繫がっている共通点を探っていくという方法です。その影響もあって、僕は割と形や意味で繫がっている、しりとりみたいな映像をよく作っています。無意識に繫がっているものを繋げていくというのが気持ちいいんですよ。

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――清水さんがコラージュ作品を作り始めたのはいつ頃からですか。

大学の3年か4年の夏休みに、自分の作品がないことに気づいた頃かな(笑)「なんか作らないとまずい」ってなっていた時に、ちょうど多摩美術大学の友人がコラージュをやってたんで、僕もやってみようって思ったのがきっかけですfね。夏休みに1日1枚を作るという目標を決めてました。

――コラージュを自分の武器にするまでのきっかけや、確信を得たのはいつ頃でしたか。

就活の際に自分は何故デザインをしているのか、それを自問自答できる本をコラージュで作りました。いくらコラージュしても苦じゃない自分がいることに気づき「もうこれは自分に向いている、自分に合ってるんじゃないか」と思いました。いくらやっても辛くないモノを見つけることができたら、それは自分の武器だと思っていいと思います。

――今まで制作に携わった中で特に思い出深い、印象深い作品は何ですか。

totoさんの「windy」っていう楽曲のMVを制作したことが自分の起点になってますね。突き詰めて夜中まで作業したり、とにかく一生懸命に取り組んだ作品でした。「windy」の原画展として銀座で個展を開催し、それ以降もワークショップなどの様々な仕事に繫がっていきました。

――他にも清水さんの刺激になった仕事はありますか。

初めて挑戦した実写作品でシナリオアートの「ホワイトレインコートマン」のMVですね。アニメーションは自己完結できますが、実写はみんなと協働してやるので苦労しましたが、とても楽しかったですね。

――制作していく上で、清水さんの自分なりのルールやこだわりとかはありますか。

やっぱり伝わらないと意味がないなと最近特に思うようになってますね。自分の作品をどれだけ客観視できるか、気を付けてやってます。オーディエンスを意識せずに作ることも個性がでるので良いことだとは思いますが、自分はたくさんの人に作品を理解してもらいたいという気持ちがあるから、個性と分かりやすさのバランスに気を遣ってます。

――自分の作家性を保ったまま仕事を続けていくのは大変だと思いますが、どうやってそのバランスを保っているんでしょうか。

自分はアーティストよりデザイナーだと思ってます。なので案件をもらった時にアイデアが湧いてきて、結果的に個性がある作品に仕上がります。だれでもそうだと思うんですけど、PCを通しても少なからず自分の個性は自然と出てくるものだと思います。僕の場合、そのバランスは案件毎にコントロールしているところはあります。

――現在、VRやヘッドマウントディスプレイ、360度映像などの登場で映像業界全体が著しい進歩を遂げています。数年後にはそれが当たり前のようになっていくと思うんですが、そのことについて思っていること、考えていることはありますか。

僕は割とそっち系は疎いですね。あまり注意してみていないけど、会社の中で最新の技術を使っている人もいて、気になることもあります。今のところ「これはぜったいやりたいぜ、俺は!」みたいなものはなくて。でもガジェットに負けるのはダメだと、ずっと思ってる。そういった技法メインな作品になってしまうと「技法がすごい」というだけな感じになってしまうと思いますね。あくまでも映像メインで、その要素として技法を上手く使っていくことが重要だと考えてます。

――以前、他のクリエーターさんから、自分の能力を生かせる環境をつくることが重要だと伺ったことがあるのですが、清水さんはどう思いますか。

会社は面白いし、会社のメンバーも変な人も多くて(笑)。いつも刺激をもらっています。周りにものを作っている人がいるという環境は大事だと思っていますね。同級生のメンバーともお互いに情報を交換したり、自然と自分の作品に影響を受けている部分もあるので、環境は大切だと思いますよ。

――学生のうちにやっておいた方がいいこと、またやっておけばよかったことはありますか。

色々な職種のアルバイトを経験しておけばよかったなと思います。仕事をしていると、様々な分野のクライアントと出会います。学生の時にいろんな職場を経験しておけば、共通言語が増えるし仕事の幅も広げられると思いました。もちろん友達との時間も大切です。社会に出てからも一緒に仕事をしたり、機会があれば一緒に会社を立ち上げることもあるかもしれないので大切にするべきだと思います。寝てるのが1番もったいないと思いますね(笑)。

――最後に、清水さんにとって映像とは何でしょうか。

なかなか答えるのが難しい質問ですね(笑)。考え方は常に変わってはいるけれど、僕は、映像とは「人にものを伝える時に1番良い方法・手段」だと思っています。直接相手に伝えられない時に、映像は1番分かりやすくかつ面白い媒体だと思います。

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