そこはかとなく好奇心を刺激するクリエイターの秘密基地。

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第3回「AC部が影響を受けた6人」アニメーターを目指す人へ[特集]

      2015/01/05

第3回「AC部が影響を受けた6人」アニメーターを目指す人へ[特集]

AC部は、インパクトのある絵、ハイテンションで濃厚な独特の世界観が話題のCGアニメーション制作チームです。今回Creator’s MAGAZINEでAC部のGIFマンガの連載が開始することを記念し、全3回に分けてAC部の創作の裏側をお送りします。
(撮影:鈴木英隆 執筆:Creator’s MAGAZINE編集部)

第1回「インパクト!インパクト!インパクト!」AC部ハイテンションアニメの裏側
第2回「へこまず貫く力」AC部の生い立ちとは?
第3回「AC部が影響を受けた6人」アニメーターを目指す人へ

クリエイター:AC部 安達 亨/板倉 俊介

AC部のロゴ画像

1999年頃に結成されたCGアニメーション制作チーム「AC部」は多摩美術大学時代に制作した「ユーロボーイズ」がNHKデジタルスタジアム年間グランプリを受賞したのをきっかけに本格的に活動を開始した。暑苦しいリアルなイラストレーションをベースにした濃厚でハイテンションな表現を 持ち味とし、テレビ、CM、PV、webなど、様々な場所にインパクトのあるビジュアルを植え付ける。

【インタビュー特集】「インパクト!インパクト!インパクト!」AC部ハイテンションアニメの裏側

株式会社ライテック/AC部 ©2012年 「未来のライター Jii!Jii!Jii!」

株式会社ライテック/AC部 ©2012年 「未来のライター Jii!Jii!Jii!」

ーー 今回は、インタビュー最終回ということで、お二人が影響を受けた方を3人ずつお聞きして、今後映像作家を目指される方へのメッセージを合わせて頂きたいと思います。まずは安達さん、いかがでしょうか。

 

安達さん(以下、敬称省略) たくさんいますね。中でもミシェル・ゴンドリーのMV作品には、大学を卒業して活動を始めて間もない頃に、動画を面白くするためのアイデアや絵作りの多彩さに衝撃を受けましたね。

第3回「AC部が影響を受けた6人」アニメーターを目指す人へ[特集]

 

ーー 具体的な作品名も教えていただけますか。

 

安達 The Chemical Brothersの「Star Guitar」のMVですね。当時はいろんなテクニックを勉強している最中だったんですけど、この作品のアイデアの突き抜けっぷりと、シンプルな構成でも勝負できるということに驚いて。視野が広がりましたね。あとはbjörk(ビョーク)の「Hyperballad」も好きですね。アナログな電飾の暖かさやよい質感の映像が気持よく合成されていて、見ていて心地よいんです。

The Chemical Brothers – Star Guitar

björk – hyperballad

 

安達 荒木飛呂彦さんのジョジョの奇妙な冒険にも影響を受けましたね。子供のころは絵柄が気持ち悪いなって思ったんですが、物心ついてくるとそれが気持ちよくなって。

 

ワーナー・ブラザーズアニメ公式チャンネルより「空条承太郎 & スタープラチナ」

ーー 好きなキャラクターはいらっしゃいますか。

 

安達 絞り切れないですね。みんな好きです(笑)。ただ、ジョジョは個々のキャラクターよりも、各部の始まり方、終わり方が絶妙なところが好きです。倒し方が全く思いつかないような強敵を倒すときの快感、盛り上げて盛り上げて最後には全てつながっていて丁寧に気持ちよく終わる。たまらないですね。

 

 

ーー お二人目は「荒木飛呂彦さん」、最後にもうお一方よろしくお願いします。

 

安達 Creator’s MAGAZINEの読者の方でご存知の方はもしかしたら少ないかもしれませんが、北山茂樹さん(※1)の麻雀漫画ですかね。昭和の麻雀漫画です。

※1:北山茂樹
1949年6月12日、北海道三笠市生まれ。藤子不二雄のアシスタントを経て、1969年「黒い戦場」でデビュー。

安達さんのお気に入りの麻雀三銃士(北山茂樹先生)

安達さんのお気に入りの漫画「麻雀三銃士」(北山茂樹先生)

ーー どのような影響を受けたのでしょうか。

 

安達 昔の麻雀漫画のフォーマット、セオリー通りに描かれているはずなのになぜか変に見えるんですよね(笑)。そのズレが好きです。学生時代に古本屋でよく漫画のジャケ買いをしてました。宝探し感がたまらないんですよね。

 

板倉 三人で好きな漫画を選んで読みまわしていました。制作している時以外はほとんどかもしれません(笑)。

 

ーー 第2回の生い立ちの部分でも漫画家についてありましたが、やはり安達さんは漫画に大きく影響を受けてらっしゃるんですね。続いて板倉さんの影響を受けた方を教えていただけますか。
第3回「AC部が影響を受けた6人」アニメーターを目指す人へ[特集]
板倉 高橋陽一さんのキャプテン翼ですね。

 

ーー キャプテン翼のどういったところでしょうか。

 

板倉 こどもの頃からよく読んでいて、展開が大好きでした。主な流れとしては、翼くんが強敵と出会って、仲間と協力して何とか勝利すると、その強敵が味方になっていくんです。粒がどんどん揃っていくあの感じがたまらないですね。このメンバーなら絶対負けないだろうと。でもまた強敵が現れて。あの熱さがいいんですよね(笑)。読み返してみると、自分にはやっぱりキャプテン翼のタッチが僕に大分染み付いているなって感じます。影響をめちゃくちゃ受けた作品ですね。漫画のコマの上に、はみだすようにキャラを大きく配置したりする大胆なレイアウトが本当によくできていて。人物の描き方も独特で、キックのシルエットなんかも「キャプ翼っぽいタッチ」から自然と躍動感が生まれているんですよね。人の熱さだったり、画面全体の熱さが感じられるところがハマる理由でした。

 

ーー 「高橋陽一さん」。板倉さんもやはり漫画家に影響を受けているということなんですね。次にお二人目をお願いします。

 

板倉 ジェームズ・キャメロン監督ですね。盛り上げ方が好きで。ターミネーターだと特に2が好きですね(笑)。他にはトゥルーライズとか。ターミネーター2もすごいんですけど、トゥルーライズはとにかく盛り上げて、盛り上げて、盛り上げてって感じで。橋を爆発させるにも、CGじゃなくて本当に爆破して撮影しているんですよね。だから迫力が生々しいんです。リアルならではの収まりきっていない何かが画面にあって、いつ見てもゾクっとしますね。そういった作品を僕たちも作っていければと思います。

 

ーー お二人目は「ジェームズ・キャメロン監督」。それでは、最後にお一人をお願いします。

 

板倉 これはルーツとはまた違ってきてしまうんですけど、今年の夏に武井壮さんとお仕事でご一緒させていただく機会がありまして。武井さんの考え方にとても感銘を受けました。

 

板倉 食事とか打ち合わせでお話しした時に、すごく頭のいい人だなと感じました。武井さんは今、就活生向けに「シューカツの王」というポッドキャストをやっているんですけど、僕が今悩んいでたり、もがき苦しんでいたりすることを、武井さんは小学生のころからすでに考えているんですよ。目的のためにとても合理的に物事を考えていて、身体能力を高めるために、ただ練習するだけではなくて、その当時から大学生が読むような本でスポーツ理論を勉強して、それを実際に取り入れていたらしいんです。皆さんにもぜひ、就職活動とかに関係なく聞いてみていただきたいです。社会人の方にとっても、将来を見据えていくための良いヒントになるのではと思います。僕は学生の時に聞いておきたかったですね。

 

株式会社ライテック/AC部 ©2014年 「Jiiールドカップだ Jii!Jii!Jii!」

株式会社ライテック/AC部 ©2014年 「Jiiールドカップだ Jii!Jii!Jii!」

ーー AC部ファンの皆様はぜひ一度見返していただくと作品との関連性が感じれて良いかもしれませんね。それでは最後に美大生や映像作家を目指している方にメッセージをお願いします。

 

板倉 作家として独自の道を進むのであれば、どういう方向性にするべきか、より深く考えるべきではないかと思います。

 

ーー それは、自分の目指す作家性についてということでしょうか。

 

板倉 はい、少し大変かもしれませんが、自分がいま登っている山の天辺を目指すか、別の山に外れてみるか、一度苦しんで自分の内面を探ってみてほしいです。その山で勝負していくと決めている人や、上位の方はいいんでしょうけど、真ん中あたりにいるような人は、自分が何を目指すべきなのかを把握することが難しい。僕たちは幸運にも山のふもとで楽しくアウトローしていたおかげで偶然にも抜け出すことができましたけど(笑)。まずは別の道もたくさんあるということを知ってほしいですね。

 

ーー 何か学生時代にこうしておけばよかった、ということはありますか。

 

板倉 反省としてはもう少し積極的に人脈を作れればよかったですね。先生であったり、スーパーな学生とは仲良くなっておいた方が良いです(笑)。

 

安達 大学に行ってよかったと思っていることは、まずAC部の二人と出会えたことと、良い先生とつながれたことだと思っています。ただ授業を受けるだけよりもずっと大きなメリットです。勉強にしても、制作にしても受け身の姿勢ではなく能動的に、自分目線ではなく誰かに届けるという目線でいることが大切だと思います。自分が頑張ったから終わり、満足、ではダメなんです。頑張ったかどうかは作品を見る側からしたら関係ない。いろんな理由で妥協したくなる瞬間も出てくるとは思いますけど、相手の目線で考えればどんな手段を使ってでも本当に作りたいものにたどり着く必要があるんです。

 

ーー それはかなり難しいことですよね。

 

安達 当然大変だと思いますけど、それが必ずしも正攻法である必要はないんです。自分が目指すべき出口は動かさず、そこにたどり着くための方法やショートカットを探す。その過程でしか辿り着けない経験や技法もあると思っています。

 

板倉 あと「締切を守ること」もすごく重要な成長のポイントだと思います。締め切りは自分の妥協に気づかせてくれます。本当は60くらいの完成度のものを、これは100なんだと言い聞かせて受け入れてしまうことってありませんか?大事なのは、何とか工夫して締切までに100にすることと、それができずに60で終わってしまった時に、失敗したという認識をちゃんと持つことだと思います。そうして出来た作品はインターネットなどで学生のうちから社会に発信することができますから、作ったものを周りに評価してもらうことも大切だと思います。

 

group_inou/AC部 ©2010年 「THERAPY」

group_inou/AC部 ©2010年 「THERAPY」

 

ーー 第二回で評価の受け止め方について少しお伺いしましたが、評価をいただく際に気を付けること等があればお願いします。

 

板倉 評価をしてもらう人を自分で選ぶことでしょうかね。今は専門学校などクリエイターになるための環境が以前よりも充実してきています。たとえそこにいる先生が巨匠であっても、その先生の言うことだけが正解と考えてしまうのはもったいないと思います。作品の創造に正解なんてないので、偏らない意見をもらうとよいですね。

 

ーー 権威の正解を追いすぎると自分自信の作家性が生まれにくいということですね。

 

板倉 そうですね。好きなことをすることよいと思います。

 

安達 インターネットを使って評価を受けるのも悪くないとは思うんですけど、もっと面と向かっての生の声を聞くべきだと思います。好きな作家に自分でアポを取るのもありですし。絶対に受けてもらえると思います。

 

ーー AC部さんも受けていただけるんでしょうか。

 

板倉 全員が全員とはいかないかもしれませんけど、できる限りお受けすると思います。

 

ーー ただやはりいきなりプロの方に直接というのはなかなか難しいですよね。

 

安達 そうですね。まずはアドバイスをもらえそうな人を選んで意見を聞く。やさしい人から順に評価をもらって、それでちょっどずつちょっとずつ草食動物みたいに表に姿を現していく(笑)。普段お世辞を言うような人でも本当にいいものを見た時は違った反応を見せてくれるはずです。そうしていけば、ネット上でも正当な評価をもらえるようになっていくと思います。

 

板倉 ただそれでもまず初めは自分で考えて作ることが絶対必要ですね。自分のよりどころとなる作品があればもう少し楽になるとは思うんですけどね。

 

ーー そういった拠り所となる作品をまだ持たない人はどうするべきでしょうか。

 

安達 評価されるべきものは評価されるインターネットの世の中においては、作り続けるということが大事ですね。インターネットによって個性が潰される等の弊害も多少はあると思いますが、それは仕方のないことですし、時代の良し悪しではなく、その時代にあった考え方をするべきだと思います。

 

ーー ありがとうございます。今後、creater’s MAGAZINEでGIF漫画を連載をするにあたってGIFについてお聞かせください。

 

板倉 GIFは眺めていて癖や中毒性がある魅力的な表現手法だと思います。今はまだ眺める模様というところでしょうか。より多くの方々に見てもらうための何かが必要だと思います。単純な動きだけでなくて中身に接続したいと思ってます。心情表現に昇華できたらよいなと思います。

 

ーー 何か答えが見えていらっしゃるのでしょうか。

 

板倉 まだ見えていないですね。難しいです(笑)。ただ、その答えの一つが漫画かなと考えているので、gifでなくては出来ない作品に出来ればと思っています。

 

安達 楽しみにしていただければと思います。

 

ーー ありがとうございます。最後に今後の活動についてお教えください。

 

板倉 来年の春に初めての個展を開催する予定で、今はそれに向けての新作を制作しています。 今までの総括が出来ればと思っていますので是非お越し下さい。

 

group_inou/AC部 ©2011年 「HEART」

group_inou/AC部 ©2011年 「HEART」

ーー 3回に分けてお送りしてきたいAC部インタビュー連載。Creator’s MAGAZINEではGIF漫画を連載予定しています。ご期待ください。

撮影:鈴木英隆 執筆:Creator’s MAGAZINE編集部

 

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※写真はイメージです。実際とは異なる場合があります。


 

クリエイター:AC部 安達 亨/板倉 俊介

AC部のロゴ画像

1999年頃に結成されたCGアニメーション制作チーム「AC部」は多摩美術大学時代に制作した「ユーロボーイズ」がNHKデジタルスタジアム年間グランプリを受賞したのをきっかけに本格的に活動を開始した。暑苦しいリアルなイラストレーションをベースにした濃厚でハイテンションな表現を 持ち味とし、テレビ、CM、PV、webなど、様々な場所にインパクトのあるビジュアルを植え付ける。

【関連リンク】
AC部コミュニティサイト:http://www.ac-bu.info/

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